アサーティブコミュニケーションとは?意味やトレーニング方法を解説|円滑な人間関係を築くためにアサーティブな振舞いを身に付けよう

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アサーティブコミュニケーションは、円滑な人間関係を築くのに有効な手法です。

個々の性格に関係なく、トレーニングにより誰でも実践できます。

今回は、仕事でもプライベートでも役立つアサーティブコミュニケーションの意味や、実践のポイントを解説します。


 

3つのコミュニケーションスタイルのひとつが「アサーティブ」

アサーティブコミュニケーションとは、お互いに意見を言い合いながら、合意点を見出すことです。ただし、アサーティブネスを表現する度合いによっては、自分自身や相手にプレッシャーを与えてしまう可能性があることに注意しましょう。

アサーティブを含む以下の3つが、代表的なコミュニケーションスタイルです。それぞれの違いを理解すれば、アサーティブコミュニケーションを実践しやすくなります。

アサーティブ

自分と相手、両方の立場を尊重します。たとえ違いがあっても、対等に話し、お互いが納得できるゴールを目指すコミュニケーション方法です。必要な事柄を冷静に話し合えるのでストレスが少なく、円滑な人間関係を築くことができます。

アグレッシブ

攻撃的で自己主張の強いコミュニケーションスタイルです。相手の言い分を聞かず、自分の主張を押し通したり、論破したりします。一方的に圧力をかけたり、受けたりすることが続くので、ストレスがたまります。人間関係は悪化する一方です。

ノンアグレッシブ

自分の主張を抑え、他人の意見を優先するスタイルです。どんなに正しい主張であっても、それを表に出すことができず、自己主張の強い人に流されがちです。たとえ事態が収束しても、主張を飲み込んだ本人はストレスを抱えることになるのです。

アサーティブコミュニケーションの意味と4つの柱

ビジネスやプライベートにおいて、自分の気持ちを伝えながら相手と良好な関係を築きたいシーンは多々あります。

アサーティブコミュニケーションは、他者との関係構築において大切なポイントです。

さまざまなシーンで役立つアサーティブコミュニケーションについて、意味と起源を紹介します。

アサーティブなコミュニケーションとは、相手を尊重しながら自己主張する姿勢のこと

アサーティブコミュニケーションとは、自己と他者の双方を尊重しながら自分の思いを伝える会話方法です。

アサーティブ(assertive)は「断言する、はっきり(積極的に)自己主張する」と訳されます。心理学の認知行動療法を源流に持つ「アサーティブネス(assertiveness:自己主張)」から来ている言葉です。

一見、「自己主張」という日本語を見ると強い印象を受けるかもしれませんが、その本質は「自分も相手も尊重し、大切にする振舞い」です。

お互いを大切にして歩み寄る姿勢をとることで、解決策を探っていこうとする姿勢と言うこともできるでしょう。

アサーティブになるとは、自分に素直になり自分を大切にする・率直かつ適切な表現で自分の気持ちを伝えることなのです。

アサーティブコミュニケーションの起源

起源には諸説ありますが、この会話手法は心理学者のジョセフ・ウォルピによるカウンセリングから生まれたとされています。

人間関係を築くのを苦手とする人の課題解決を目的に開発されました。

人はそれぞれ独自の価値観を持っています。互いを知るためには、相手の考えを尊重しつつ自分の意志を誠実かつはっきりと伝える必要があるのです。状況に応じて適切な自己主張をすることは、ビジネスシーンに限らず生きやすさにもつながります。

アサーティブコミュニケーションを構成する4つの要素

以下の4項目が、アサーティブコミュニケーションを実践する際に重要な心の持ちようとされています。これらを意識した会話や表現は、おのずとアサーティブコミュニケーションができる状況を生み出すのです。

誠実

誠実とは、人や物事に対して真心を持って真面目に接する様子を意味します。私利私欲に突き動かされることなく、相手にも自分にも誠実であることが必要です。

率直

率直とは、嘘をつかず、ありのままであるという意味があります。相手の主張に合わせて自分の気持ちを押し殺すのではなく、伝えるべきことは正直かつ丁寧に表現します。

対等

世の中には先輩・後輩、上司・部下といったさまざまな関係性が存在します。こうした互いの立場や年齢・経験の違いなどに左右されることなく、対等に話し合う姿勢も欠かせません。

自己責任

会話する態度や発言内容について、自分が発信・選択したものは全て自己責任とすることです。会話による決定事項や発言しなかった意見も、自己責任の範囲に含まれます。

なぜあなたはアサーティブになれない?3つの理由を解説

アサーティブになるためには、自分の思考のクセを知る必要があります。あなたがなぜアサーティブになれないのか、現在の思考のクセに目を向けてみましょう。

理由1:自分の感情と相手の感情を同一視してしまうから

自分の気持ちと相手の気持ちは別物です。

当たり前では?と感じるかもしれませんが、次のようなシチュエーションを想像してみるといかがでしょうか。

【状況】パートナーの機嫌が悪い

反応A:私が何か機嫌を悪くさせてしてしまったかな?
反応B:何だかイライラしているな。何かあったのかな?

いかがでしょうか。

これは極めて単純化したシチュエーションですが、同じ状況を目にしても複数の捉え方があります。

ここで覚えておきたいのが、「相手の感情は相手のもの」という考え方です。

機嫌の良し悪しのきっかけを与えることはあっても、その感情を表に出すかどうかは相手次第です。「感情は自分が引き起こしている」のです。

したがって、反応Aのようにあなたが相手の感情に責任感を覚える必要はありません。

これは、言い換えると「自分の感情は自分のもの」ということ。自分の機嫌の良し悪しは相手がコントロールしているのではなく、あなたに主導権があるのです。

理由2:「こうあるべき!」という固定観念で自分を縛っているから

「本当は1人で過ごしたいのに、友人の誘いを断れない」

「付き合いが悪い人だと思われたくない」

冒頭に挙げたこういった振る舞いの根底には、

「自分の意見を優先するのは自己中心的な振る舞いなので、やるべきではない!」

「相手の気持ちに立って考えるべき!」

といった「べき思考」があるのではないでしょうか?

「○○すべき」「○○してはならない」「○○なんてありえない」

こういった考え方は時に素晴らしいものです。例えば「他人に良くしてもらったら、自分もお返しをするべきだ」という考え。

これ自体を否定するものではありませんが、見方を変えると自己中心的であり、自分の思い込みをもとに発せられた言葉のようにも捉えられます。

「べき思考は」、言葉を使って自分の行動や相手の行動を批判したり、縛ったりする考え方です。「べき思考」に至るまで、さまざまな背景があったと思われます。「べき思考」は、これまで経験してきた環境や与えられた役割によって形成されるものだからです。

今後振る舞い・考え方を変えていきたいと考えているあなたにとって、少し大変かもしれませんが、この考え方を少しずつほぐしていくことが大切です。

理由3:「自己レッテル貼り」をしているから

「レッテル貼り」とは、一方的・断定的に評価を下すことを指します。「レッテル貼り」というと特別なことに思えるかもしれませんが、実は身近に存在しています。

例えば、「あの人が○○なのは、血液型が×型だから」といった発言をしたこと・耳にしたことはありませんか?これも「レッテル貼り」のひとつです。この「レッテル貼り」を自分に対しておこなうことを「自己レッテル貼り」といいます。

「レッテル貼り」には物事を単純化してわかりやすく考えられるというプラスの側面があるのですが、この考え方が強固に・自分の脳内を多く占めてしまうと考えものです。

小さい頃からコミュニケーションをとることに苦手意識を抱いてきた人が、新しい職場や出会いの場で「自分はコミュ障だから」と「自己レッテル貼り」をするシーンを思い浮かべてください。

もし、あなたが相手との関係構築を望まないならそれでも良いかもしれません。

しかし、相手との関係構築を望んでいるなら、あなたの「自己レッテル貼り」は自分自身を縛りつける”呪いの言葉”になってしまいます。

「自己レッテル貼り」の問題点は、問題解決・改善や自分の歩みを一歩進めるためには何の役にも立ちません。

「自分はコミュ障だから」

のあとに続く言葉を想像してみるとわかりやすいかもしれません。

多くの場合、「(自分はコミュ障だから)話しやすい話題を探して会話の糸口を見出そう」という考えにはならず、「(自分はコミュ障だから)関係性を構築できなくても仕方ない」と前進できない言い訳としてしか使われないでしょう。

このように「自己レッテル貼り」は身近に存在するにもかかわらず、自分で意識することが難しく、さらに矯正することもハードルが高い思考のクセであり、アサーティブな振る舞いを妨げる大きな要因のひとつなのです。

アサーティブになるための考え方のコツ・ポイント

自分の気持ちや考えに素直になる

アサーティブな行動に不可欠なのは、自分が何者であるかを正直に認めることです。

自分には良いところ、悪いところがたくさんあると思います。そういった現状を見つめ、自分を理解しようとすることが大切です。

これは相手にも言えることです。相手の状況をありのままに見つめ、理解しようとしてみましょう。

自分や他人の現状を把握することを考えるには、まずここから始めるとよいでしょう。

「本当は1人で過ごしたいのに、友人の誘いを断れない」

「付き合いが悪い人だと思われたくない」

さまざまな思いが、あなたの「素直さ」を阻もうとします。

たしかに、相手に良い印象を与えたいと思うのは自然なことです。自分がどうしたいのか、相手にどうなってほしいのか、明確に伝えるように心がけましょう。自分の気持ちを優先する=わがまま」と思う人もいるかもしれません。

しかし、自分の気持ちに蓋をして、相手を思いやる気持ちや本音を伝えないことは、かえって関係を悪化させることになりかねません。

アファメーションを活用する

アファメーションを日本語に訳すと、「肯定的な自己暗示」「肯定的な自己説得」「肯定的な自己宣言」と表現できます。

なりたい自分になるための「言葉による思い込みづくり」と捉えるとよいでしょう。

このアファメーション、自分の潜在意識を味方につけるために効果的な方法です。肯定的な言葉を断言することによって、自分の言葉を自分の脳が確認します。それによって、自分の中に肯定的な言葉が徐々に浸透していきます。

肯定的な言葉の浸透に伴い、自分の潜在意識を味方につけることで、より良い結果を手にしやすくなります。

自分の選択・言動に責任を持つ

アサーティブになるということは、自分の意志で言動することです。つまり、誰かが決めたことにそのまま従ったり、人に合わせて自分の気持ちにフタをすることではありません。

これは、言い換えると「自分の選択・言動に責任を持つこと」に他なりません。

他人の意見に流され、原因を他社に置くことは、楽であり気持ちを落ち着かせる手段のひとつでもあるでしょう。

しかし、残念ながら自分の環境を好転させられるのは自分自身。他人は、あなたの人生に対して義理も責任もありません。

自分の選択・言動に責任を持つことは、一見すると辛く苦しい道のりにみえるのですが、自分が自由に生きていくための最短ルートでもあるのです。

自分の気持ちを伝える=押し通すではない

他人の言動に流されない、ということは自分と相手の間に対立が生じる可能性も併せ持っています。

この対立において大切なのは、妥協してしまうのではなく、また、自分の気持ちを押し通すでもなく、お互いが納得感を持てる着地点を模索することです。

つまり、相手に歩み寄っていく姿勢が求められます。その際に意識したいのが、相手の意見に耳を傾けること。

発信だけではなく、聴く姿勢もまたアサーティブな振る舞いにおいて重要なのです。

アサーティブコミュニケーションに有効なDESC法とは?

アサーティブコミュニケーションを行う際は、「DESC法」をベースに会話を組み立てていくとスムーズです。意識的に繰り返していけば、アサーティブな思考で物事を捉える習慣が身に付きます。

各ステップにおけるNG例・OK例の文章もあわせてお示ししますので、活用してください。

D:描写(Describe)

事実のみを伝えます。ポイントは自分の感情や憶測、相手に対する評価等を一切入れないということです。客観的に起きた出来事のみ描写し、相手にシェアします。

「このビジネスに関心がないかもしれないが、納期を1週間も破るなんてありえない」

「議事録の納期は1週間前でしたが、現時点で提出されていません」

E:表現(Explain)

伝えた事実について、自分の気持ちを述べます。大切なのは、感情的な表現をできるだけ避けることです。相手を責めるような言葉を使わないよう注意しましょう。主観的な感情を丁寧に話します。

「事情があれば言ってくれればいいのに、どうして何も報告しないのか?」

「何か事情があるのかと心配していました」

S:提案(Specify)

事実と気持ちを述べたら、今後の方向性について提案します。ここでも相手を思いやり、攻撃的にならない表現を選びましょう。具体的な事柄を提案することで、相手からの同意を得やすいです。

「議事録をまとめるのも難しいくらいなら、担当業務を減らすか?」

「担当業務の配分について見直してみましょうか?」

C:選択(Choose)

提案内容に対する相手の反応を踏まえて次の選択肢を考え、シェアします。得られる結果がイメージできる一言もあるとベストです。ここでは、相手の状況に応じた柔軟な対応が求められます。自分の事情だけでなく、相手のことも考えましょう。

「とりあえず先方の打ち合わせがある明日14時までには絶対に仕上げてくれ」

「取り急ぎ、他のチームメンバーに依頼してみませんか?そうすれば次回の打ち合わせには間に合いそうです」

アサーティブな振る舞いをするためポイント&トレーニング方法

トレーニング方法1:自分や相手の好きなところ・嫌いなところを5分間で書き尽くす

この訓練においてよく見られるのが、自分の悪いところばかり書いてしまうケースです。たしかに、自分の良いところを自分で書くのは照れくさいものですし、自己肯定感が下がっている状況下で良いところを書くのはハードルが高いでしょう。

参考までにポジティブな言葉の一覧を載せますので、参考にしてみてください。

ポジティブな言葉の一覧リスト

社交的な、多用途、平和、適応可能、寛大な、ハッピー、言葉にならないくらい、平等、知性、許し、愛情がある、信頼性のある、花、敏感な、健康、弾力性、バランスのとれた、インスピレーション、おめでとう、本物の、ジューシー、インスタント、決定、快適、やる気、変身、成し遂げる、ストイックな、選択する力、歓迎する、少年の心、想像力、自分を愛せる、決める力がある、アップ、崇拝する、広い心、心温まる、優秀な、独創的、社交的な、きちんと、想像する、残高、歓喜、吉、カリスマ的、足りる、途方もない、有益、ジャズ、やる気、究極の、権限を与えられた、まぶしい、自己受け入れ、あふれんばかり、愛情深い、笑顔の絶えない、究極の、効率的、電化、豊かな、力を与える、心を開く、拡大した、天の喜び、いつも輝く、心理的安全性、効果的な発言、承認された、控えめな、寛大さ、受け入れた、甘い、簡単、熱意、栄光の、自己受け入れ、遊び心のある、無駄が無い、権現、自己愛する、望ましい、熱狂的な、機知に富んだ、リラックスした、構成力、注意深く、適応可能、にぎやか、安全、ソウルメイト、尊敬された、主導者、有益、荘厳な、チャンピオン、純粋な、直感的、アクション、ベスト、まぶしい、うれしい、楽な、良さ、変身、貴重な、想像する、見事、女神のような、壮観な、成果、簡易、伝説の、持続力の強い、仙人のような、健康、内省、どっぷりと、明快さ、ホーリー、平和主義、故意に、元の、貪欲な、安心、公平、物分かりが良い、愛した、揺れない、功績のある、荘厳な、尊敬された、良い、変身、大切な、上手、神の領域、長い、気持ち良くする、信仰、壮観な、チャーミング、勝ち癖、穏やかな、慈愛に満ちた、恵み、きらめく

トレーニング方法2:アファメーションを習慣化する

これまでに形成された考え方は、想像以上に強固で頑固です。無意識を意識で制御するのは非常に難しいので、「新たな無意識」を創り出すことが重要になってきます。以下ではそのためのトレーニング方法について解説します。

現在完了形で言い切る

いきなり難しい表現になってしまったかもしれませんので、いくつか例文を見ていただきましょう。

  • 私は相手と自然なコミュニケーションを取ることができました。
  • 私は自分を愛してくれるパートナーを手に入れました。
  • 私はお金持ちの人と結婚しました。
  • 私は転職によって年収が200万円アップしました。
  • まだ実現していないことなのに…と思うかもしれません。

以下のような「○○できるようになる」という表現の方が、しっくりくるかもしれません。

  • 私は相手と自然なコミュニケーションを取ることができるようになります。
  • 私は自分を愛してくれるパートナーを手に入れます。
  • 私はお金持ちの人と結婚します。
  • 私は転職によって年収が200万円アップします。

この未来志向の表現、実は落とし穴。「現時点で実現していない」というニュアンスを含むことから、「実現できないかもしれない」等のネガティブな気持ちも含まれてしまうのです。

したがって、「もう実現できたこと」として現在完了形で言い切ることが脳にとって重要です。

肯定的な言葉だけを使う

アファメーションで使う言葉は、すべて肯定語にすることです。つまり、否定語の「ない」や「やめる」等を使わず、「○○したい」等の望んでいる状態を言葉にしましょう。

というのも、脳は否定語を理解するのが苦手です。どういうことでしょうか?

今から出てくる文章を読んでも、そのモノ・コトを絶対に想像しないでください。

繰り返しますが、絶対に想像しないでください。

  • すっぱい梅干し
  • 鉄板の上で焼かれるステーキ
  • 気持ちよさそうに寝転ぶネコ

いかがでしたか。つい想像してしまったのではないでしょうか。

「想像しない!」と自己宣言することで、逆に想像してしまったのです。

これを逆手に取ると、「私は○○した」と肯定的に、現在完了形で言い切ることによって、「肯定的な状況にある自分」を想像できるようになります。

まとめ

アサーティブコミュニケーションは、自分と相手の双方を尊重できる会話手法です。

多様性を大切にする現代社会において、より良い人間関係を築くための必須スキルともいえます。

繰り返しトレーニングすれば誰でも習得できるので、意識的に取り組んでみましょう。

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