リモートワークが一般的になってきて、会社以外の場所で仕事を行うことが増えた人も多いのではないでしょうか。
会社や自宅のパソコンで契約しているAdobeのライセンスを、それ以外のパソコンやタブレットでも使えたら便利ですよね。
そんなとき、頭をよぎるのは以下のような疑問。
Adobeのライセンスは2台以上で同時起動できるの?
複数の端末でアカウントを共有する方法があるの?
今回は、Adobeライセンスを2台目のPCで使いたい方や、複数の端末でアカウントを共有する方法を知りたい方に向けて、複数端末でひとつのライセンスを使いまわす方法について詳しくご紹介していきます。
【結論】Adobeのライセンスは複数台で利用可能
結論から言ってしまうと、Adobeのライセンスは複数台で利用することが可能です。
1つのライセンスで、複数台のコンピューターにソフトをインストールすることができます。
つまり、会社用と自宅用の両方のコンピューターに、Adobeのソフトを入れておくこともできます。同じAdobe IDならデータの同期も可能になります。
これならば、Adobeソフトを使うために、わざわざ会社に出勤する必要もなくなります。
また、簡単な作業をノートパソコンやタブレットで行って、細かな作業を自宅や会社のデスクトップコンピューターで行うということもできます。
場所や使用するデバイスが違っても、同期させたデータから同じ作業を行えるので、非常に便利な機能であるといえます。
複数台インストールは公式サイトでも公認
Adobeのライセンスの複数利用について、Adobe社の公式サイトの内容を確認しながら、詳しく見ていきたいと思います。
Adobeアプリの購入を検討する人の中にも、何台目までインストールできるのかについて疑問を持つ人が多いようです。
Adobe社の公式サイトの中にも、この内容は「よくある質問」として挙がっています。
参考:「アドビアプリを別のコンピューターにインストールできますか?」(Adobe社公式サイト)
それに対して、Adobe社のサイトでの回答は、次のような内容になっています。
- 1ライセンスで複数のコンピューターにインストール可能
- 2台同時にログイン(ライセンス認証)可能
- 同時に使用できるのは1台のコンピューターのみ
1ライセンスで複数のコンピューターにインストール可能
1つのAdobeライセンスで、複数のコンピューターにソフトをインストールすることが可能です。しかも、インストールだけならば、3台以上のコンピューターでもインストールすることも可能になっています。
2台同時にログイン(ライセンス認証)可能
Adobeライセンスでソフトをインストールしてあるコンピューターならば、最大2台で同時にログインすることが可能です。違った2台のコンピューターで、1つのライセンスを使用して、同時にログイン状態を維持することができます。
同時に使用できるのは1台のコンピューターのみ
ソフトのインストールもAdobe IDでのログインも、複数のコンピューターで同時に行えます。しかし、アプリは複数のコンピューターでは同時に使用できず、アプリを同時に使用できるのは1台のコンピューターのみになります。
Adobeライセンスを2台目のPCで使用する方法
Adobeアプリは、Adobe ID を用いてログインすることでライセンス認証を行え、利用が可能になります。また、ログアウトすることで、ライセンス認証は解除されます。
Adobeライセンスを利用するコンピューターを追加・変更する場合には、Adobe社の窓口等での手続きは不要です。コンピューターから、アプリに「ログイン/ログアウト」するだけで完了できます。
では、具体的にAdobeライセンスを2台目のPCで使用する方法について、説明していきたいと思います。
1台目のコンピューターをログアウトしておく
Adobe社のアプリは、複数のコンピューターにインストールすることやログインすることが可能です。
しかし、1つのライセンスにつき、同時に1台のコンピューターでしか使用することができません。
1台目のコンピューターをログインしたままでも、2台目のコンピューターでAdobe社のアプリを使用することは可能です。しかし、ログインしたままのコンピューターで、他の人にアプリを使用されてしまうと、そのときには2台目のコンピューターでアプリを使用できなくなってしまいます。
そのようなことを避けるためにも、1台目のコンピューターはログアウトしておくようにしましょう。
Adobe公式サイトにアクセス・ログインする
いつも使用しているメインのコンピューターではなく、2台目・3台目のコンピューターでアプリを使いたい場合、まずはAdobe公式サイトにアクセスします。
画面の右上にある「ログイン」をクリックして、プラン購入時に使用したメールアドレスである「Adobe ID」とパスワードを入力します。
このAdobe IDとパスワードは、ライセンスが紐づけられたものになります。違うAdobe IDやパスワードでアクセスしても、同期しているデータは使用できません。会社で購入してもらったAdobe IDとパスワードが必要な場合は、事前に確認して情報を把握しておくようにしましょう。
Adobe IDが分からないとき|1台目のコンピューターがある場合
Adobe IDが分からないときでも、1台目のコンピューターが手元にある場合は、以下の操作で確認が可能です。
- Adobe Creative Cloud などのアイコンをダブルクリックして起動する。
- 画面右上の丸いプロフィールアイコンをクリックする。
- アカウント名(購入者の氏名)とメールアドレスが表示される。
このときに表示されるメールアドレスが、「Adobe ID」になります。
Adobe IDが分からないとき|1台目のコンピューターがない場合
力技になってしまいますが、まずは思い当たるメールアドレスでのログインを試してみましょう。
それでも分からない場合には、Adobe社のカスタマーケアへ問い合わせをすることがお勧めです。
必要なソフトをインストールする
2台目のコンピューターでAdobe CCなどを初めて使用する場合は、使いたいアプリをインストールする必要があります。
Adobe CCの場合、「Adobe Creative Cloud」のアイコンをダブルクリックしてAdobeを開きます。
「インストール済み」、または「インストールすることのできるアプリ」の一覧が表示されます。
表示されたアプリの中から、利用したいアプリをクリックして起動させます。この際にログイン画面が表示された場合は、Adobe IDでログインします。
Adobe IDにはサブスクリプション契約をしたときの契約情報が紐づいているため、必ず1台目と同じAdobe IDでログインしましょう。
Adobeライセンスを2台目のPCで使用するときの注意点
Adobe CCを使用したい場合、Adobe公式サイトからAdobe CCアプリをダウンロードしてインストールすることになります。
このインストールを行う場合には、Adobe社からは何のチェックもありません。そのため、何台のコンピューターでもインストールが可能です。
しかし、アプリを使うときにはログイン数の確認が行われます。
複数のコンピューターで同時にAdobe CCのアプリを起動することは認められていません。そのため、複数のコンピューターでAdobeに同時にログインすると、「ライセンス認証の制限値に到達しました」または「ログイン失敗」というエラーが発生します。
さらに、2台目にインストールしたAdobe CCアプリケーションを、契約者以外の他のユーザーが使用することは認められていません。不正使用が見つかると大変なことになるので、注意するようにしましょう。
Adobeライセンスを3台以上のPCで使用する方法と注意点
Adobe公式サイトからAdobe CCアプリをダウンロードしてインストールする際、台数制限はないので、何台のコンピューターにでもインストールすることは可能です。
しかし、ログインは同時に2台までとなっています。2台で同時にログインしているときに、3台目のコンピューターでアプリを起動しようとするとログインが要求されます。
ログイン画面から1台分のログアウトが求められるので、ログアウトしたいコンピューターを選択してログアウトしなければなりません。
3台目のコンピューターでAdobe CCを利用したいなら、1台目と2台目のいずれかのPCからログアウトするようにしましょう。
その場合、ログアウトしたコンピューターには何の影響もないので安心です。
インストールは何台でもでき、ログインは2台までとなりますが、同時に使用できるコンピューターはあくまでも1台となります。
ごく稀に、2台のコンピューターで同時にアプリを起動できてしまう事例があるようですが、後々どのようなトラブルに発展するかが分かりません。2台同時の起動は、絶対に避けるようにしましょう。
番外編|法人版の使用で複数台でのアカウント管理が簡単に
Adobe CCを一般価格以外で購入する方法として、Adobe CCの学割プランがよく知られています。しかし、法人向けの「法人向けCreative Cloud」というプランもあります。
法人向けのCreative Cloudは、企業におけるライセンス管理の負担を大幅に軽減し共同作業を効率化するために誕生したプランです。
1~100人の個人事業主や中小企業での導入に最適なプランであるグループ版と、50人以上の大規模な組織向けのエンタープライズ版の2種類があります。
法人向けCreative Cloudグループ版とは
「法人向けCreative Cloudグループ版」は、通常のAdobe CCと同じように、20を超えるAdobe社の各種ソフトが使い放題になります。
さらに、個人版にはない、法人利用に適したグループ版ならではの機能やサービスを受けることが可能です。
- Admin Consoleでのライセンス管理
- テクニカルサポート
- 年間2回の1対1サポート(1ユーザーあたり)
- Adobe Talent求人掲載(無制限)
- SlackとMicrosoft Teamsの連携
このような、法人版独自である多くのサービスを利用することが可能です。
とくに、Admin Consoleでは、組織内のライセンス管理やAdobeサポートへの問い合わせなどができ、管理を簡単に行えるようになります。
法人向けCreative Cloudグループ版では、利用中のすべてのプランをひとつの契約にまとめることができます、そのため、支払いが簡潔で費用の予算を立てやすくなります。
法人向けCreative Cloudグループ版の料金プラン
法人向けCreative Cloudグループ版は、一般向けのAdobe CCと料金体系が異なります。
基本の利用料金
料金プラン名 | 利用料金 | 月当たりの料金 | |
Adobe CC | 年間プラン(月々払い) | 6,480円/月 | 6,480円/月 |
年間プラン(一括払い) | 72,336円/年 | 6,028円/月 | |
月々プラン | 10,280円/月 | 10,280円/月 | |
法人向けCreative Cloudグループ版 | 年間プラン(月々払い) | 9,280円/月 | 9,280円/月 |
年間プラン(一括払い) | 111,368 円/年 | 9,281円/月 |
法人向けCreative Cloudグループ版の料金(1ライセンスあたり)は、サービス内容の充実により、通常のAdobe CCの料金よりも高額になります。さらに、「年間プラン(一括払い)」にすると、月あたりの支払い金額が「年間プラン(月々払い)」よりも増えてしまうという不思議な現象が生じてしまいます。
まとめ
Adobeライセンスを2台目のPCで使う方法や、複数の端末でアカウントを共有する方法について、お分かりいただけましたでしょうか。
Adobeのライセンスは高いので、複数端末でひとつのライセンスを使いまわすことができたらお得ですよね。
この記事を参考にして、Adobeのライセンスを契約して、Adobeライセンスをお得に使いまわし、クリエイティブな作品づくりを始めてみましょう。