新型コロナウイルス感染拡大以降、自宅で手軽に知識習得・スキルアップができる「MOOCs」の人気が加速しています。
MOOCsは、Massive Open Online Courses の頭文字を取って複数形にしたもので、直訳すると「大規模公開オンライン講座」のことを指します。「オンライン学習プラットフォーム」と読み替えても差し支えありません。
国内外の代表的なMOOCsとしては以下のようなものが挙げられます。
日本にも、複数の講座配信プラットフォームをまとめるポータルサイトである「JMOOC」が存在しています。GaccoなどはこのJMOOCの中にまとめられていたりもします。
数あるMOOCsの中でも、受講人数・評判・講座の質の観点から特にオススメしたいのが Coursera(コーセラ)と Udemy(ユーデミー)です。
両者をご存じの方は、
「CourseraとUdemyの違いは?」
「結局、CourseraとUdemyはどっちを選ぶ方が良いの?」
など、疑問に思っている方も少なくないでしょう。
本記事では、CourseraとUdemyの特徴や料金、オススメしたい人といった観点から両者を比較していきます。
受講を迷っている方はぜひ参考にしてください!
- Coursera(コーセラ)とは?
- Udemy(ユーデミー)とは?
- オンライン学習プラットフォーム(MOOCs)で学ぶメリット
- オンライン学習プラットフォームで学ぶデメリット
- CourseraとUdemyはどちらを選ぶべき?
- まとめ
Coursera(コーセラ)とは?
Courseraの概要
コーセラとは、スタンフォード大学やイェール大学などの世界的な有名大学が提供してくれる授業や、GoogleやIBMなどの一流企業が主催する7000以上の講座をオンラインで受けられるプラットフォームです。
オンラインで講義を視聴するほか、ディスカッションが行えるコミュニティ機能や、テスト・課題などが用意されています。
日本語や英語、ドイツ語など、30以上の字幕言語が用意されていて、1つの授業はおよそ10分程度、1講座は約4~6週間で修了できるようになっています。
世界中で多くの人たちが学習していて、キャリアアップのためにコーセラを受講した人の87%は、転職の成功や昇進、昇給を成功させているそうです。
Courseraの料金
コーセラのコースですが、そのほとんどは基本的に無料で受講できます。
有料のコースであっても、講義動画を見るだけならば無料で済むのです。
しかし、無料コースは機能が制限されてしまっています。追加課題やプロジェクト、コース証明書の取得をしたい場合には、月額39ドルを支払って、有料コースを受講する必要が生じてきます。
Coursera Plusというサブスクリプションプランも用意されているので、多くのコースを受講したい場合はこちらを利用することをオススメします。
Courseraの特徴
Courseraの特徴を簡単にお伝えすると以下のとおりです。
- ユーザー数が世界No.1の実績が信頼の証
2022年5月時点で、世界中で8700万人以上の方が学習を行ってきている
- 世界の一流企業、一流大学が提供する高品質な講義を受けられる
例:Google提供コース、スタンフォード大学提供コース
>> Google データアナリティクス プロフェッショナル認定(Google提供)
>> Machine Learning(機械学習専門講座)(スタンフォード大学提供)
>> 応用データサイエンス専門講座(IBM提供)
- 認定証や修了証明書は大卒程度の価値を持つ
例:Googleのプロフェッショナル認定
>> Google デジタルマーケティング & Eコマース プロフェッショナル認定
>>【Coursera】Google UXデザインプロフェッショナル認定とは?|学習内容や費用、受講のメリットを徹底解説
- 海外の有名大学が提供するコースでは、修士課程などの学位を取得できる
例:イリノイ大学のコンピューターサイエンス専攻
>> 学位取得可能な海外大学のコースはこちらで確認できます
- 無料体験期間が用意されている
7日間の無料トライアル期間がありますので、自分に合うかどうかを確認しながら進められます
以下の記事では、Courseraの特徴についてより詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
Udemy(ユーデミー)とは?
ここからは、Udemy(ユーデミー)の概要や料金、特徴について詳しく解説していきます。
Udemyの概要
Udemy(ユーデミー)は、受講できる講座数が10万以上もある世界最大の動画学習プラットフォームです。
世界中の人が利用する教育プラットフォームで、ITやビジネススキル、データサイエンスなど幅広いカテゴリーからコースを選べます。
また、学びたい講座を選んで購入すれば、何度でも見返して学習することが可能です。
Udemyの料金
ジャンルや受講するコースによって料金はバラバラですが、10,000円前後で販売されているものが多いです。一般的な学習プラットフォームに比べると高めですが、頻繁にセールが行われています。
最大で90%OFFにて販売されていることも多く、最安で1,200円から受講することも可能です。
Udemyの特徴
最後にUdemyの特徴をまとめると、以下の通りです。
- 幅広いジャンルで個性的な講座が多い
- 購入したコースは一度購入すればいつでも再受講可能
- セールは頻繁に行われており、最安1,200円から受講できる
- 海外の講座も豊富にある
- 専用の掲示板を使えば、講師に質問できる
- 30日間の返金保証がある
動画で受講する形になるので、受講中は講師に質問ができません。しかし、専用の掲示板を使えば疑問に思ったことをいつでも質問可能です。
さらに、無料で会員登録もできるだけでなく30日間の返金保証もついてきます。そのため、初めてオンライン学習を受講する人ほどUdemyが向いていると言えるでしょう。
ひとつ残念な点を挙げるなら、Udemyでは質問ができません。正確には、Udemyでは購入したコースのQ&A画面から質問自体は可能です。可能なのですが、基本的に回答はもらえないものと思って良いでしょう。
オンライン学習プラットフォーム(MOOCs)で学ぶメリット
新しいスキルや資格を取得したい場合、CourseraやUdemyなどのオンライン学習プラットフォーム(MOOCs)には共通する大きなメリットがいくつかあります。
ここからは、オンライン学習プラットフォームを活用してスキルを取得するメリットについて解説していきます。
好きな時間に講義を受講できる
オンライン学習には、「好きな時間に講義を受講できる」というメリットがあります。
例えば、仕事が忙しくてスクールに通うのが難しくても、オンライン学習なら空いている隙間時間に学習することが可能です。また、自身のスケジュールに合わせて講義を受講できるので、自身の時間を確保しやすいという特徴もあります。
そのため、仕事や家事で忙しい大人にこそ、オンライン学習プラットフォームはおすすめです。
自身の目的に合わせて実践的なスキルを学べる
オンライン学習には、「自身の目的に合わせて実践的なスキルを学べる」という強みがあります。
例えば、セミナーなどに参加した場合、表面的な話しかされず専門的な話をせずに終わることは少なくありません。一方で、オンライン学習は自身が学びたい分野別で細かく講義を開いており、学びたい箇所を集中的に学べます。
そのため、コストパフォーマンスもよくなり、無駄遣いせずにスキルを習得することが可能です。
わからないことは何度でも見返して学べる
オンライン学習は動画で講義を受講することから、「わからないことは何度でも見返して学べる」というメリットがあります。
例えば、セミナーに参加しても話の展開が早くて、理解できずに終わってしまうというシーンは少なくありません。
一方で、オンライン学習であれば動画での受講になるので、理解するまで何度でも見返すことが可能です。
オンライン学習プラットフォームで学ぶデメリット
メリットが多いオンライン学習ではあるものの、デメリットもあります。
そこでこの章では、オンライン学習プラットフォームを活用するデメリットについて詳しく見ていきましょう。
通信環境や利用端末に依存してしまう
プログラミングなど専門的なスキルを学ぶ場合は、パソコンを使って受講することがほとんどです。しかし、通信環境や利用する端末次第で、受講するモチベーションが下がる可能性もあります。
例えば、電波が弱い地域だとネットの遅延が起こることも少なくありません。また、使用するパソコンのスペックによっても、動画が途中で止まってしまう場合もあります。
通信環境や利用端末に問題がある場合、環境を整える必要があるものの、初期費用がかかるので注意しましょう。
講師との直接的なコミュニケーションがとれない
オンライン学習プラットフォームは、動画で講義を受講するスタイルなので、講師と直接的なコミュニケーションは取れません。そのため、講義の途中で質問をしたい人にはマイナスに見えてしまうことでしょう
ただし、Courseraの場合は受講者同士が意見を交わしたり、アウトプットに対して互いにコメントしたりできる仕組みがあります。
自分の考え・理解が正しいのか、集合知によって解決していくことができます。なにより、一緒に頑張って受講を進める人がいるのは心強いものです。
集中力の維持が難しい
オンライン学習には、集中力の維持が難しいというデメリットもあります。誰かに見られながら受講するわけではないので、「講義を見ながら違うことをしていた」という人は少なくありません。
そのため、周りに物を極力置かないようにしておき、時間をしっかりと確保して受講することが大切です。
CourseraとUdemyはどちらを選ぶべき?
CourseraとUdemyはどちらも、時間を無駄にせずスキルアップを目指す人におすすめできるサービスです。
どちらも仕事が忙しい人に最適なプラットフォームですが、先述したように特徴が異なります。
まず、Courseraがおすすめな人は以下の通りです。
Courseraをオススメしたい人
誰でも気軽に受講できるコーセラですが、その中でも特に向いている人やおススメできる人は、こんな人になります。
- 英語力がある人
日本で実施されている講座もごくわずかにありますが、ほとんどの講座は英語での開講や字幕になります。
有料の講座にはテストや課題の提出もあるので、英語力は必須になります。
もっとも、日本語字幕があるのと、台本となるスクリプトが公開されているのでDeepLなどを活用することでスムーズな受講が可能です。
- 就職・転職などに使える証明書や学位が欲しい人
Courseraでは、オンライン上で海外大学の学位が取得できます。
取得した学位は、実際に卒業した資格と同等に扱われ、卒業生としても扱われます。
- 学費援助の制度を活用してお得に受講したい人
コーセラには「学費援助(フィナンシャル・エイド:Financial Aid )」という仕組みがあります。
この学費援助を受けられると、制限された機能を無償で使えるようになるのです。
詳しくは以下の記事で解説しています。
- 概要を知りたいならこの記事:
コーセラ(Coursera)とは?特徴や料金、登録方法までわかりやすく解説
- 証明書の価値を知りたいならこの記事:
Coursera(コーセラ)の修了証明書・認定証は意味ない?就職・転職に使える?取得のメリットやおすすめコースを解説
Udemyをオススメしたい人
- 初めてオンライン学習プラットフォームを利用する人
日本語での講座が多く展開されており、ビジネス一般・自己啓発など比較的ライトな内容の講座もあるため、はじめてオンライン学習をおこなう人にとってはとっつきやすいでしょう。
- 幅広いジャンルのスキルを学びたい人
WebデザインやSEOライティング、データ分析、AI技術に至るまで広範な領域をカバーしています。
- 返金保証付きのプラットフォームを利用したい人
Udemyの場合は返金期間が30日間と長めに設定されています。
本当に効果があるのか、学習に向いているのかをじっくり確かめることが可能です。
上記に当てはまる場合は、Udemyを選ぶと良いでしょう。
もしどちらを選ぶかで迷った際には、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
CourseraとUdemyの違いやおすすめな人を解説しつつ、オンライン学習プラットフォームで学ぶメリット・デメリットをまとめていきました。
オンライン学習プラットフォームは、好きな時間に講義を受講したい人にこそおすすめしたい学習サービスです。
就職・転職に役立つ修了証や学位の取得を目指す人は「Coursera」、はじめてオンライン学習プラットフォームを利用する「Udemy」を使ってみるのが良いでしょう。
どちらも無料で試せる期間が設けられていますので、まずは本当に学習を進められるのか体験してみることをオススメします。