製品やサービスの機能の多い/少ない・見た目が良い/悪い、こういった要素だけでは競合他社との差別化が難しくなってきています。
ユーザーやステークホルダーに向き合い、根源的なニーズへの寄り添いながらマネタイズしていくことがとても重要です。
そんな中、いま急速に注目度が高まっているのが「UXデザイン」。
UXデザインは、特にユーザーの体験価値に着目しており、プロダクト・サービスを通じた顧客体験をより良いものにするために必要不可欠な概念です。
スキルを身に着ける方法はたくさんありますが、TwitterやnoteなどのSNSではCourseraの「Google UXデザインプロフェッショナル認定コース」の評判の良さが話題になっています。
このコースは「Google Career Certificates」の一環として提供されているもので、当初は英語のみでの開講でした。
しかし、2022年8月29日に「Google データアナリティクス プロフェッショナル認定コース」が日本語化されたのを皮切りに、順次日本語化が進められています。
残念ながら、「Google UXデザインプロフェッショナル認定コース」はまだ日本語化されていません。
また、Courseraの公式ページは英語で書かれているため、読んでも概要がよく分からずに困っている方も少なくないはずです。
今回は、UXデザインの学習をしたいと考えている方に向けて、Courseraの「Google UXデザインプロフェッショナル認定」のコース内容や費用など気になる話題についてご紹介していきます。
なお、この記事ではCourseraの概要については触れません。「Courseraって何?」という方は、以下の記事もあわせてご覧ください。
- Google Career Certificatesとは?
- CourseraのGoogleプロフェッショナル認定とは?
- Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースで学べること
- Foundations of User Experience (UX) Design
- Start the UX Design Process: Empathize, Define, and Ideate
- Build Wireframes and Low-Fidelity Prototypes
- Conduct UX Research and Test Early Concepts
- Create High-Fidelity Designs and Prototypes in Figma
- Responsive Web Design in Adobe XD
- Design a User Experience for Social Good & Prepare for Jobs
- Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースの受講費用は?
- Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースの受講期限や期間の目安は?
- 日本語での受講は可能?
- Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースを受講するメリット
- まとめ
Google Career Certificatesとは?
Google Career Certificates は、IT 分野で需要の高い職種に必要なスキルを身につける、米国で提供開始された認定プログラムです。
組織の中で即戦力となるための実践的な知識・スキルと問題解決能力を身につけることを目的として開講されました。
米国では、このGoogle Career Certificatesプログラムへの参加者のうち75%が、6か月以内に昇給や新たな仕事の機会などキャリアにプラスの影響を与えたそう。
現在、以下の6つのコースが用意されており、2022年8月末時点では「データ分析」に関する知識・スキルが習得できる「Google データアナリティクス プロフェッショナル認定コース」が日本語化されています。
おすすめ|Google公式講座
以下でもご紹介しますが、Google Career Certificatesはすべてオンラインで受講・認定がなされます。自分の都合に合わせて受講を進められるようになっています。
CourseraのGoogleプロフェッショナル認定とは?
世界の一流企業や一流大学が提供する講座を、オンラインで受講できるCoursera。
数多くの講座を無料で受講できることからも人気が高まっています。
Courseraには無料のコースが数多くあり、クオリティの高い講座を無料で受講できます。
しかし、有料コースの受講を完了することで入手できる「プロフェッショナル認定」にはメリットがたくさんあり、スキルアップ以上の価値を求めている方々にとって、大きな味方になってくれます。
そんなプロフェッショナル認定コースの中には、Googleが提供してくれているコースが複数あります。
その中でも、Googleが提供しているプロフェッショナル認定コースは、そのクオリティもさることながら対外的な印象UPにも効果的なのでオススメです。
今回は、Google UXデザインプロフェッショナル認定コースにフォーカスしますが、その他にも以下のような「プロフェッショナル認定コース」が用意されています。
おすすめ|Google公式講座
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースで学べること
Google UXデザイン プロフェッショナル認定は、オンライン上で講義を受けて課題に取り組みながら、UXデザインについて体系的な知識習得とアウトプットのトレーニングができる講座です。
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースには、次の7つのコースがあります。
- Foundations of User Experience (UX) Design
- Start the UX Design Process: Empathize, Define, and Ideate
- Build Wireframes and Low-Fidelity Prototypes
- Conduct UX Research and Test Early Concepts
- Create High-Fidelity Designs and Prototypes in Figma
- Responsive Web Design in Adobe XD
- Design a User Experience for Social Good & Prepare for Jobs
各講座の内容は体系的になっているために、推奨として提示された順序で各認定プログラムのコースを受講することを強くおすすめします。
Foundations of User Experience (UX) Design
UXデザインの仕事をするために、最低限必要なスキルを身に付けられる初級レベルのコースです。
7コースあるGoogle UXデザイン プロフェッショナル認定プログラムの最初のコースとなります。
実際のUX設計シナリオをシミュレートする、実践的なカリキュラムをこなしていきます。
しかし、講師であるGoogleのUX デザイナーなどがわかりやすく教えてくれるので、まったくの初心者の方でも付いて行けるような受講内容になっています。
>> Foundations of User Experience (UX) Design
Start the UX Design Process: Empathize, Define, and Ideate
このコースを修了することで、UXデザインの初級レベルの仕事をこなせることができる程度のスキルを習得することができます。
ユーザーのニーズを定義し、問題を解決するために必要な手法を得るための方法を学びます。このコースを修了することで、ポートフォリオに含めることができるようなプロジェクトの設計プロセスを習得することができます。
>> Start the UX Design Process: Empathize, Define, and Ideate
Build Wireframes and Low-Fidelity Prototypes
認定プログラムの3 番目のコースであるこのコースでは、2番目のコースの内容の応用編です。
デザインの初級レベルの仕事に対応できるスキルを習得できます。
架空のモバイルアプリを設計することで、ワイヤーフレームの描き方やプロトタイプ制作の基礎を身に付けられます。
>> Build Wireframes and Low-Fidelity Prototypes
なお、このコースにおいてはうれしい特典があります。
FigmaのEducation Planが利用できるようになるのです(つまり、学割と思ってください)。
このプランの何が強力かと言うと、Figmaを無料で使えるようになるのです!
Professional Planと同等の機能が2年間無料で使えるとてもうれしい特典。
ぜひここまでは進めたいところですね。
Conduct UX Research and Test Early Concepts
認定プログラムの 4 番目であるこのコースでも、デザインの初級レベルの仕事に対応できるスキルを習得できます。
UXリサーチの中でも、ユーザビリティ調査の計画・実査を通じて、アウトプットに対するフィードバックを収集する方法を学びます。
さらに、調査から得た情報をもとに、デザインを修正・改善する方法についても学習していきます。
>> Conduct UX Research and Test Early Concepts
Create High-Fidelity Designs and Prototypes in Figma
認定プログラムの5番目のコースでは、Figmaでデザインとプロトタイプを作成していきます。
デザインツールであるFigmaで、モックアップを作成する方法を学び、プロトタイプに変換していきます。
調査を重ねることでフィードバックを収集して、改善を行っていきます。最後には、開発チームとデザインを共有できるので、自分の魅力を最大限にアピールできるポートフォリオを作成することができます
>> Create High-Fidelity Designs and Prototypes in Figma
Responsive Web Design in Adobe XD
Adobe XD のレスポンシブ Web デザインは、プログラムの 6 番目のコースです。
デザインツールである「Adobe XD」を使用して、レスポンシブデザインのWebサイトを設計します。
このコースでは、いままでに学んできた知識を活かして、デザインプロセスを最初から最後まで完了させることができます。このコースを修了させることで、完璧なポートフォリオであるとアピールできるような、デザインプロジェクトを作成することができます。
>> Responsive Web Design in Adobe XD
Design a User Experience for Social Good & Prepare for Jobs
このコースは、Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースの7番目で最後のコースとなります。1番目から6番目までのコースで学習してきたすべての知識を駆使しながら、デザインプロセスを最初から最後まで完了させていきます。
モバイルアプリとレスポンシブWebサイトを設計することで、UXデザインに関する一連の学習を修了させることができます。
>> Design a User Experience for Social Good & Prepare for Jobs
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースの受講費用は?
Googleのプロフェッショナル認定コースはいずれも有料コースです。
今回ご紹介しているGoogle UXデザイン プロフェッショナル認定コースも有料になります。
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースの受講費用は、各コースとも月額$39です。
日本円に換算すると、月々約5,000円(税込)の費用負担で受講~修了証の取得までできます。 ※2023年1月時点の円ドル換算

ちなみに、Courseraの有料コースの料金はコースごとに異なっていて、概ね月額6,663円から10,742円の料金設定となっているケースが多いです。
サブスクリプションプランである「Coursera Plus」ならば、有料コースも含めたすべてのコースが受け放題となります。

月払いならば7,719円、年払いならば52,207円で受講することが可能です。(※2023年1月時点のレート)
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースの受講期限や期間の目安は?
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースには、受講期限がありません。ですから、自分のペースで学習していくことが可能です。それでも、料金が月単位で発生してしまうので、ある程度の期限を区切って受講することが必要になってきます。
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースは、全7コースになっています。
1日に1時間ずつ学習していくと、それぞれのコースを4〜5週間で修了できるように設定がされています。
推奨ペース通りに受講すると、全コースを6ヶ月で修了することが可能です。しかし、あくまでも目安なので、自分の好きなペースで学習を進めることができます。
日本語での受講は可能?
残念ながら、Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースは、日本語での受講ができません。
英語のみの提供になるので、その点について不安を感じる方も多いことでしょう。
しかし、Google のプロフェッショナル認定コースの講師は、Google社を代表するような優秀な社員です。
英語を母国語としない人でも理解しやすいように、平易な英語でかみ砕いて分かりやすく説明してくれます。
さらに、台本ともいえるスクリプトが画面に表示されているので、ネットの翻訳ツールなどを活用しながら学習をすすめることもできます。
スプリプトはコピー&ペーストが可能なので、DeepLで翻訳しながら進められます。
実際、筆者が講座を進める際にはDeepLをフル活用しました。なので、英語が苦手な人でも十分ついていくことができます。
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースを受講するメリット
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースを受講する大きなメリットは、オンラインで学習できることです。しかし、それ以外にもたくさんのメリットがあります。
UXデザインを体系的に学べてアウトプットの訓練にもなる
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースでは、UXデザインの基礎知識やプロセスを体系的に学ぶことができます。
このコースでは、Googleが作成した、UXデザインのスキルを効率よく習得できるカリキュラムで学習することが可能です。
順を追って学習を重ねていくことで、UXデザインに必要な知識を無理なく習得していくことが可能です。
さらに、与えられた課題に対するUXデザイン作成と修正を行いながら授業が進んでいくので、アウトプットの訓練にもなります。
コストパフォーマンスバランスに優れる
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースは、コストパフォーマンスに優れています。
UXデザインを学びたいと思った場合には、Webデザインのスクールで学ぶという方法があります。
たとえば、DMM WEBCAMPなどでもUI/UXデザインに特化したコースが準備されています。
現在は、UXデザインの人気が高まっているので、UXデザインを学べるコースを設定しているスクールもたくさんあります。
しかし、オンラインの場合でも20万円程度の費用を必要とするスクールが多く、30万円以上の学費が必要な場合もあります。
その点、Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースは、月額$39で受講することが可能です。
約6ケ月間の学習期間が推奨されているので、総額でも$240で受講を完了させることができます。
修了証明書で転職が有利になる
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースを修了するごとに、以下のような修了証明書を入手できます。

すべてのコースを修了すると、Googleの求人では大卒相当のスキル保有とみなされます。
これは、Googleに就職や転職をしたい人にとっては、大きなメリットとなります。
もちろん、Google以外への就職活動や転職活動においても有利にはたらきます。米国での認定卒業生は、DeloitteやMacy's、Walmartなどの大手企業への就職や転職も有利に働いている実績も。
この証明書、同じ業界で働く人やビジネスパートナー・新規顧客の発掘場としても利用されている「LinkedIn(リンクトイン)」に登録することも可能です。
グローバルに求職をする際の履歴書としても使うことができるので、世界中の企業からのスカウトやヘッドハンティングにつながることになります。
大学の単位として認められる場合もある
Courseraで取得した修了証明書が大学の単位や学位として認定されたり、海外の大学を実際に卒業した資格と同等として扱われたりする場合もあります。
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースを修了することで、学士号レベルに相当する単位の推薦を獲得できます。
これは、職場での学習を大学の単位に変換するための業界標準であるACE®️ 推奨事項を利用したものになります。
しかし、推奨事項を受け入れるかどうかの決定は各大学に委ねられているので、保証されるものではないことに注意してください。
まとめ
Google UXデザイン プロフェッショナル認定コースについて、お分かりいただけましたでしょうか。
専門的なスキルが必要とされるUXデザインは、今後も高い需要が発生すると予想されます。世界的なトップ企業であるGoogle社が提供する世界レベルのカリキュラムは、UXデザインを習得したいと望む方にぴったりの内容です。
UXデザインを学びたいと考えている方は、すぐにでも受講を始めてみましょう。
>> Courseraの「Google UXデザインプロフェッショナル認定コース」の公式ページはこちら