Adobe社が提供しているアプリケーションソフトは、イラストレーターやWebデザイナー、動画クリエイターなど、クリエイティブ職の方々にとって欠かせないツールになります。
そんな、Adobe社が公認している認定試験が、「アドビ認定プロフェッショナル」です。
Adobe社のソフトを使っていたり、クリエイティブ職に興味があったりする方の中には、「アドビ社が公認している」という認定試験に興味を持っている人も多いことでしょう。
しかし、
「アドビ認定プロフェッショナルってどんな資格?」
「アドビ認定プロフェッショナルの合格率は?」
「独学でも合格可能なの?」
など、気になる点がたくさんあるかと思います。
今回は、アドビ認定プロフェッショナルに興味をお持ちの初心者の方に向けて、アドビ認定プロフェッショナル試験の種類や合格率、勉強方法についてご紹介していきます。
Adobeの公式資格「アドビ認定プロフェッショナル」とは?
アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)は、アドビが公認する国際認定資格になります。認定されると、Adobe Creative Cloudを活用するスキルがあることを証明されます。
日本では、株式会社 オデッセイ コミュニケーションズにより運営されています。
社会人としてのキャリアをスタートするとき、キャリアアップやキャリアチェンジを考えはじめたとき、生徒や学生に就職準備にむけて自信をもたせたいときに、ぴったりの資格になっています。
アドビ認定プロフェッショナル(Adobe Certified Professional)の概要
アドビ認定プロフェッショナルの試験科目は、アプリケーションごとに独立していて、資格は科目ごとに認定されます。
Adobe Creative Cloud製品は、バージョンごとに新しい機能が追加・改良されるので、バージョンごとに試験が用意されています。
【試験科目】
アプリケーション | 試験科目 |
Photoshop | Visual Design using Adobe Photoshop 2020 Visual Design using Adobe Photoshop 2021 |
Illustrator | Graphic Design & Illustration using Adobe Illustrator 2020 Graphic Design & Illustration using Adobe Illustrator 2021 |
Premiere Pro | Digital Video using Adobe Premiere Pro 2020 Digital Video using Adobe Premiere Pro 2021 |
【受験料】
- 一般価格:10,780円(税込)
- 学割価格: 8,580円(税込)
試験は、全国にある試験会場のコンピュータを使って解答するCBT形式になります。会場には試験マシンがあり、事前にインストールされている実際のアプリケーションを使用して試験が行われます。
問題は、前半の選択問題セクションと後半の操作問題セクションの2つに分かれていて、試験直後のコンピュータの画面で合否結果がわかります。
詳しい内容は以下のとおりです。
【詳しい試験概要】
受験資格 | なし |
試験会場 | 全国の試験会場 |
試験形態 | CBT形式 |
試験時間 | 50分 |
出題数 | 30問前後 |
出題形式 | 4択問題と操作問題 |
合格基準 | 700点以上(1000点満点) |
試験当日の持ち物 | 受験者のIDとパスワード、受験票、写真付き身分証、学生証(学割申込者) |
試験結果 | 合格証にはデジタル認定証 ※試験終了直後に確認が可能 |
※同じ科目は連続して受験が可能ですが、2回目、3回目の場合には、前回の受験からそれぞれ24時間、120時間待つ必要があります。
旧名称は「アドビ認定アソシエイト」
アドビ認定プロフェッショナル「Adobe Certified Professional」は、2021年6月から名称が変更されてできた新しい名前です。
聞き覚えのある方も多いかと思いますが、以前はアドビ認定アソシエイト「Adobe Certified Associate(ACA)」と呼ばれていました。
試験の名称は変更されましたが、内容に関して変更はあまりなく、ほぼ同じようなものになっています。
「アドビ認定エキスパート」と「アドビ認定プロフェッショナル」の違い
Adobe社が認定している資格には、アドビ認定エキスパート(ACE)というアドビシステムズ認定の世界共通資格もあります。
アドビ認定エキスパートでは、アドビソフトウェアの主な製品アプリケーションごとに、機能に関する知識と操作技量をはかります。
「単一製品認定」、「スペシャリスト認定(プリント、Web、ビデオ)」、「マスター認定(指定の5製品の試験全てに合格)」の3種類の認定レベルがあり、それぞれのアプリケーションについての理解度を評価します。
「アドビ認定プロフェッショナル」よりも簡単な内容とされていますが、日本語での試験が廃止されていて、英語でしか受験ができないので注意が必要です。
「Webクリエイター能力認定試験」と「アドビ認定プロフェッショナル」の違い
「Webクリエイター能力認定試験」は、株式会社サーティファイが主催する、Webサイトを作る技術・能力を評価する民間資格です。Adobe社が行っている試験ではないので注意が必要です。
Webクリエイター能力認定試験には、「スタンダード」と「エキスパート」という2つの種類があります。
エキスパートはより実践的な内容となっていますが、どちらの内容も難易度が低く、合格するための勉強時間も、スタンダードで約24時間、エキスパートで約38時間が目安と言われています。
さらに、平均合格率は約9割になっていて、アドビ認定プロフェッショナルよりも簡単に取得することができます。
アドビ認定プロフェッショナルの試験内容
気になるアドビ認定プロフェッショナルの試験内容ですが、次のような内容になっています。
Visual Design using Adobe Photoshop 2020、2021
Visual Design using Adobe Photoshop 2020、2021の試験内容は、次のようなものになります。2020と2021の内容は同一になりますが、2020の試験は、2023年5月31日で終了になります。
試験概要
Visual Design using Adobe Photoshop 2020、2021の試験概要は、次のようなものになります。
項目 | 内容 |
問題数 | 30問前後 |
出題形式 | 選択形式、ドロップダウンリスト形式、クリック形式、ドラッグ&ドロップ形式、操作問題※1 |
試験の形態 | 験はすべて、コンピュータ上で実施するCBT(Computer Based Testing)形式 |
試験時間 | 50分 |
受験料 | 一般価格:10,780円(税込) 学割価格:8,580円(税込)※2 |
※1 操作問題は、実際にアプリケーションを操作する実技試験となります。
※2 学生の方は受験当日に、必ず学生証をご持参ください。
出題範囲
出題範囲の「大項目」は、次のようなものになります。
- 1.0 デザイン業界で働く
- 2.0 プロジェクト環境の設定とインターフェイス
- 3.0 ドキュメントの整理
- 4.0 視覚的要素の作成と変更
- 5.0 デジタルメディアの公開
出題範囲の詳細は以下のリンク先をご覧ください。
https://adobe.odyssey-com.co.jp/outline/jp_photoshop_2021.pdf
Graphic Design & Illustration Using Adobe Illustrator 2020、2021
Graphic Design & Illustration Using Adobe Illustrator 2020、2021の試験内容は、次のようなものになります。2020と2021の内容は同一になりますが、2020の試験は、2023年5月31日で終了になります。
試験概要
Graphic Design & Illustration Using Adobe Illustrator 2020、2021の試験概要は、次のようなものになります。
項目 | 内容 |
問題数 | 30問前後 |
出題形式 | 選択形式、ドロップダウンリスト形式、クリック形式、ドラッグ&ドロップ形式、操作問題※1 |
試験の形態 | 験はすべて、コンピュータ上で実施するCBT(Computer Based Testing)形式 |
試験時間 | 50分 |
受験料 | 一般価格:10,780円(税込) 学割価格:8,580円(税込)※2 |
※1 操作問題は、実際にアプリケーションを操作する実技試験となります。
※2 学生の方は受験当日に、必ず学生証をご持参ください。
出題範囲
出題範囲の「大項目」は、次のようなものになります。
- 1.0 デザイン業界で働く
- 2.0 プロジェクト環境の設定とインターフェイス
- 3.0 ドキュメントの整理
- 4.0 視覚的要素の作成と変更
- 5.0 デジタルメディアの公開
出題範囲の詳細は以下のリンク先をご覧ください。
https://adobe.odyssey-com.co.jp/outline/jp_illustrator_2020.pdf
Digital Video using Adobe Premiere Pro 2020
Digital Video using Adobe Premiere Pro 2020の試験内容は、次のようなものになります。
項目 | 内容 |
問題数 | 30問前後 |
出題形式 | 選択形式、ドロップダウンリスト形式、クリック形式、ドラッグ&ドロップ形式、操作問題※1 |
試験の形態 | 験はすべて、コンピュータ上で実施するCBT(Computer Based Testing)形式 |
試験時間 | 50分 |
受験料 | 一般価格:10,780円(税込) 学割価格:8,580円(税込)※2 |
※1 操作問題は、実際にアプリケーションを操作する実技試験となります。
※2 学生の方は受験当日に、必ず学生証をご持参ください。
出題範囲
出題範囲の「大項目」は、次のようなものになります。
- 1.0 デザイン業界で働く
- 2.0 プロジェクト環境の設定とインターフェイス
- 3.0 ドキュメントの整理
- 4.0 視覚的要素の作成と変更
- 5.0 デジタルメディアの公開
出題範囲の詳細は以下のリンク先からも確認できます。
https://adobe.odyssey-com.co.jp/outline/jp_premiere-pro_2021.pdf
アドビ認定プロフェッショナルを受検するためのステップ
アドビ認定プロフェッショナルを受検するためには、次のようなステップを踏むことになります。
申し込みから最短1日で完了出来ます。ひとつずつ詳しくご説明します。
試験会場を選んで申し込む
試験会場を検索して、試験のお申込みと受験料の支払いをします。
試験会場と開催日は、こちらから探せます。
https://adobe.odyssey-com.co.jp/exam/location.html
受験者IDを登録する
下に記載してあるサイトから、受験者IDの登録を済ませます。一度登録した受験者IDは繰り返し使用ができます。
https://www.odyssey-com.co.jp/id/
試験を受ける
申し込みをした日時、会場で受験します。当日の持ち物と諸注意は必ず確認しましょう。
- 受験ID・パスワード
- 受験票
- 写真付きの身分証明書 ※学生の場合は学生証
試験結果を知る
試験結果(合否)は、試験終了直後に判定されます。
アドビ認定プロフェッショナルの難易度・合格率はどれくらい?
アドビ認定プロフェッショナルを受験しようと思った際に気になってくることが、難易度と合格率なのではないでしょうか。
しかし、残念ながらアドビ認定プロフェッショナルの合格率は公開されていません。
ネット上でも情報が少ないのですが、経験の年数やレベルによって、大きく変わってくると考えられます。
アドビのアプリケーションソフトを全く触ったことのない人の場合、当然ですが合格率はかなり低めになります。ちょっと進んで、アドビのアプリケーションソフトを扱ったことがある人の場合、もっと合格率が高くなってきます。
さらに、アドビのアプリケーションソフトを学校や企業で頻繁に使う人ならば、簡単と感じるかもしれません。
アドビ認定プロフェッショナルのおすすめ勉強方法
アドビ認定プロフェッショナルのおすすめ勉強方法は、次のような方法になります。
公式テキストを使って独学で進める
アドビ認定プロフェッショナルに関しては、試験への対策教材が充実しています。そのため、アドビのソフトを多少使用した経験のある人ならば、独学でも勉強しやすい傾向にあります。
基礎を確認できるテキストで学習をした後に、演習問題や模擬テスト教材で、知識を確認していきましょう。
人気のある資格なので、たくさんのテキストが販売されていますが、Adobe公式テキストや問題集を使用するようにしましょう。
まだAdobeのソフトを持っていない方は、無料体験から開始するか、このあとお伝えする「デジハリAdobeマスター講座」を利用することをオススメします。
デジハリのAdobeマスター講座がおすすめ
ある程度の経験があれば、書籍や無料映像を活用した独学での学習が可能になります。しかし、まったくの初心者や経験の浅い人には、デジハリのAdobeマスター講座の利用がおすすめになります。
デジハリのAdobeマスター講座は、オンラインスクールであるデジタルハリウッドだけが提供できる、最新のオンライン学習講座です。
デジハリのAdobeマスター講座では、46時間の基礎動画教材によって、Adobeアプリケーションの基礎が効率的に学べます。しかし、それ以上にメリットになることが、費用の面についてです。
税込39,980円という受講料で、12ヶ月版のAdobe Creative Cloudがセットになっています。Adobe社の公式やAmazon、Rakutenよりも、低価格で使用が可能なのです!
Adobe Creative Cloudを支払い手続きすれば、すぐに受講を開始できます。思い立ったらいつでも学習を始められることもうれしいポイントですよね。
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アドビ認定プロフェッショナル合格にかかる勉強時間の目安
アドビ認定プロフェッショナルは、Adobe社の公式サイトで「エントリーレベル(初級)」の資格と説明されています。
アドビ認定プロフェッショナル合格にかかる勉強時間としては、初心者の場合1日2時間程度の学習で3ヵ月程の期間が目安になります。
しかし、Twitter上では、過去問もなく一度もアプリを触ったことがなかったにも関わらず、3週間という短い勉強期間なのに、800点という高得点で、Premiere Pro2021に合格できた人もいます。
効率よい勉強方法を知ることで、短期間での合格が可能になるのかもしれませんよね。
アドビ認定プロフェッショナルを取得するメリット
アドビ認定プロフェッショナルを取得するメリットは、次のようなものになります。
効率的にスキルが身に付く
アドビ認定プロフェッショナルの試験で使用されるソフトは、Adobe社の主要ソフトです。日々の仕事などを通じて、そのスキルを身に付けられる人も多いかもしれません。
しかし。試験に合格するスキルを身につけるために試行錯誤しながら学習をすることで、効率的に実践的なスキルを身に付けることができます。
世界中で活躍できる
アドビ認定プロフェッショナルは、国際認定資格です。世界共通で認定されている資格なので、世界中のどこであってもスキルを持っているという証明になります。
日本を飛び出して世界中で活躍したい場合にも、アドビ認定プロフェッショナルの資格はプラスになるでしょう。
就職や転職活動時に有利に働く
デザインのスキルは判断基準があいまいなために、スキルを持っていることの証明が難しくなります。しかし、世界共通で認識されている資格を保持しているということ、それだけでスキルの証明になります。
履歴書にも記載できるので、就職や転職活動時に有利に働くこと間違いなしです。
アドビ認定プロフェッショナルの取得が向いている人は?
アドビ認定プロフェッショナルはだれでも取得が可能ですが、向いている人は次のような人になります。
学生や新社会人でこれからデザイナーやクリエイターを目指す人
デザインの社会では、「あまり資格は必要」と言われることもあります。しかし、学生や新卒の場合には、企業やクライアントにアピールできる資格を持っていないことが多くなります。
アドビ認定プロフェッショナルで問われる内容は、日本の企業の新卒採用担当者がこれから求めるスキルでもあります。デザイナーやクリエイターを目指すためには、心強いアピールポイントになります。
学生の場合はAdobe公式サイトが最安!
もし、ご覧いただいている皆さまが学生の場合は、Adobe公式サイトから学割で購入するのがベストです。
23,760 円/年(税込26,136円/年)で契約でき、Adobeマスター講座を利用するよりもさらに安いからです。
デザイン分野にも知見を広げてリスキリングしたい中堅社会人
アドビ認定プロフェッショナルの取得は、デザイン分野にも知見を広げてリスキリングしたい中堅社会人に向いています。
これからの時代にも、デジタルデザインはさらに発展していくと考えられます。自己流になりがちなAdobe PhotoshopやIllustratorのスキルを修正し、試験に合格することで、今まで以上んのスキルアップが可能になります。
デザイナーとの共通言語を増やしたいWebエンジニア・Webディレクター
WebエンジニアやWebディレクターは、業務を遂行する上で「ディレクション」や「マーケティング」などのスキルも求められます。
その際にはデザイナーとのコミュニケーションが重要になります。デザイナーとの間に共通言語を増やしておくことで、仕事上に必要な意思疎通をスムーズに行うことができるようになります。
まとめ
アドビ認定プロフェッショナルについて、お分かりいただけましたでしょうか。
デザイン業界ではだれもが知っている世界的大企業が実施している認定試験だからこそ、持っていることが大きなメリットになるのです。
この記事を参考にしてアドビ認定プロフェッショナルの取得をし、クリエイターとして前進していきましょう。