カスタマージャーニーマップの作り方6Step|ビジネス活用方法もわかりやすく解説

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カスタマージャーニーマップ作り方

ジャーニーマップは、UXデザインのプロセスの中で、顧客を理解し、顧客の課題やニーズにあったアイデアを創発する過程で使うことのできるツールの1つです。

ユーザー像を定義する「ペルソナ」手法と並んで、最も利用されることの多いツールでしょう。

この記事では、カスタマージャーニーマップの基本的な作成方法をご紹介します。

カスタマージャーニーマップとは?

カスタマージャーニーマップとは、ユーザーがある目標を達成するために通過するプロセス全体を視覚化したものです。別名ユーザージャーニーマップと呼ばれることもあります。

ジャーニーマップの作成は、ユーザーの一連の行動を時系列にまとめることから始まります。次に、このタイムラインにユーザーの思考や感情を加えて、ストーリーを作成します。そして、最終的にストーリーをビジュアライズします。

カスタマージャーニーマップの活用方法

カスタマージャーニーマップは、既存の製品やサービスの現在の体験を視覚化して課題を洗い出すとき(As-is、Current state)、まだ存在しない新規製品やサービスの理想の体験を視覚化して共有したり、具体化したりするとき(To-be、Future state)どちらにも使用することができます。

既存体験のためのものであれば、ユーザーリサーチを行なったあと、調査結果を分かりやすくまとめてアイディエーションの材料とするために作成します。

将来の体験のためのものであれば、ハイレベルなビジネスアイデアが決まったあと、更に具体的な体験の設計をしていくタイミングで作成します。

書き方のお作法はどちらの場合でも同じで、関係性としてはAs-isジャーニーで浮き彫りにした課題に対する解決策を使っている状態がTo-beジャーニーということになります。ただし、必ずしもどちらも作らなければいけないわけではなく、何をしたいのか、その手段としてカスタマージャーニーが有効なのかを考えて活用していくことになります。

カスタマージャーニーマップの作り方とコツ

カスタマージャーニーマップは様々な形式を取ることができますが、一般的に以下の要素を含めて作成します。

カスタマージャーニーマップの例(筆者作成)

1. アクター(ペルソナ)を作成する

アクターとは、ジャーニーを体験するユーザー(ペルソナを作成している場合はペルソナ)のことで、アクターの視点でジャーニーマップを作成することになります。このとき重要なのは、1つのマップは1つの視点で描くということです。例えば、顧客と従業員など2つ以上の視点でジャーニーを作成したい場合には、ユーザータイプそれぞれについて、別々のマップを作成する必要があります。

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2. シナリオを作成する

シナリオは、ジャーニーマップに描かれるユーザー体験のコンテクストを説明したもので、アクターの目標やニーズに関連付けて設定します。

シナリオは、現実のもの(既存の製品やサービス)でも、予想されるもの(まだ設計段階にある製品やサービス)でも構いません。

3. ステージ(フェーズ)を設定する

ステージとは、ジャーニーにおける場面を表したものです。そのため、シナリオによってステージの設定の仕方は全く異なります。購買行動全体のジャーニーであればAIDMAやAISASなどの一般的なフレームワークを使うことができますが、そうでなければいけないということはありません。一連の「行動」の流れや「タッチポイント/チャネル」が切り替わる最適な区切りを設定しましょう。このとき、まず体験の「前」「中」「後」で大きく区切ってみて、その中で行動やタッチポイント/チャネルが変わるところがあれば区切ってみるというように細分化していくとスムーズです。

4. 行動、思考、感情をマッピングする

アクターの行動、思考、感情をジャーニーの各ステージにマッピングします。

「行動」には、ステージ内でユーザーが取ったステップを書いていきます。

また、「思考」には行動しているときに出てくる質問やニーズ、必要となる情報、行動を起こすモチベーションを書いていきます。

そして、「感情」の浮き沈みを曲線で表し、顧客のゲインポイントとペインポイントを一目で見やすくすることもあります。

5. タッチポイント/チャネルを設定する

タッチポイント(アクターが企業と接触する方法)とチャネル(ウェブサイトや実店舗などのコミュニケーションやサービス提供の方法)を、ユーザーの目標や行動と一致させる必要があります。これらの要素は、ブランドの不整合や体験の断絶が明らかになることが多いため、特に強調する必要があります。

6. 課題/機会/施策などを書き加える

カスタマージャーニーマップをアイディエーションに用いる際には、ステージ、行動、思考、感情の下に、課題や機会、施策などネクストステップに応じた枠を用意しておいて、アイデアを出してもらいましょう。

カスタマージャーニーマップ作成時のポイント3選

事実に基づいて作成する

既存体験の視覚化をするためのジャーニーであれば、調査から得られた事実に基づいて作成しましょう。調査は、ユーザーの一連の行動を知ることができる定性調査を行うことが理想です。(例えば、フィールド調査や日記調査など)ステークホルダーに納得してもらうために、定性データの裏付けや検証をするために定量調査を行うこともあります。

ネクストステップにつながる情報を取捨選択する

カスタマージャーニーマップはユーザーの体験を視覚化するものであるものの、全ての行動を逐一記載する必要はありません。ユーザー体験全体を俯瞰できる状態にするためにも、ネクストステップのアイディエーションがしやすそうな情報やユーザー(ペルソナ)を表す情報をハイライトすることが重要です。

クロスファンクショナルチームで作成する

カスタマージャーニーには、作成する過程でユーザー理解が深まる利点もあるため、できるだけ幅広い関係者を巻き込むことができると良いでしょう。特に、ユーザーと直接接点のある人がいるとよりリアリティのあるジャーニーを作成することができます。

まとめ

カスタマージャーニーマップはユーザーの体験を分かりやすく視覚化したり、ユーザーをより深く理解したりするために役立つ基本的なツールです。

まだ一度も作ったことがないという方は、是非作ってみてください。

 


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