DesignOpsとはどういう意味?役割・機能やDevOpsとの違いをわかりやすく解説

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designopsとは?意味や役割を解説

DesignOpsとは?読み方は「でざいんおぷす」で合っている??どういう意味???

最近よく目にする "○○Ops"という言葉。"DesignOps"もそのひとつです。

DesignOps(デザインオプス)という言葉は、Dave Malouf氏が作ったとされています。UXデザインの文脈でもよく目にするようになってきているこの言葉、その重要性がますます高まっています。しかし、まだ新しい領域であることもあり、「DesignOpsとは何か?」と疑問に思う人も少なくないでしょう。

この記事では、「UXデザインにおけるDesignOpsとは何か?」にフォーカスしてわかりやすく解説します。

DesignOps(デザインオプス)とはどういう意味か?

DesignOpsとは、設計を意味する"Design"と、運用を意味する"Operation"を組み合わせた略語です。デザインプロセスや進捗、人材、手法・ツールを最適化することによって、デザインの価値最大化を図ります。

アジャイルでUXデザインをおこなう必要があるプロジェクトを思い浮かべてください。

ウォーターフォール型のプロジェクトに比べてより多くのことを効率的・高速におこなう方法を考えねばなりません。DesignOpsの担当者は、UXデザイナーがより高速に最高のアウトプットを実現するための環境づくりに不可欠な存在なのです。

アジャイルでのプロジェクトがあたりまえになっている昨今、より重要な意味を持つようになってきているのがDesignOpsなのです。

DesignOpsの3P+T|管理運用を成功に導く原則とは?

DesignOpsにおいて重要な3P+Tについて説明します。

そもそもデザインに関わる業務は、あまり理解がない人にとっては定性的・感性的に捉えられてしまい、そのプロセスの高効率化や到達度評価、管理などが難しいと考えられがちです。

言い換えると、デザインプロセスやその成果の評価メジャーを管理できれば、デザイナーはより仕事がしやすくなりますし、マネージャーはより管理しやすくなります。

ビジネスシーンにおけるデザインは、当然ながら一般のビジネス課題と同じく、目標を設定し、その目標達成のために戦略・戦術を立案し、最短距離で運用を回していく必要があります。

そこで重要になるのが以下の"3P+T"です。

  • Process:効率的な目標達成に向けたプロセス
  • Progress:プロジェクトの進捗
  • People:デザイン組織ではたらく人材
  • Tool:デザインツールやインフラ

デザインがかかわるプロジェクトを思い浮かべてみてください。

プロジェクトで達成すべき目標に向けての道のり(Process)に対して、定量的に評価可能なマイルストーンを設けることで、何ができていて何ができていないか進捗(Progress)をを把握できるようになります。各メンバーが抱える課題やボトルネックの特定にも効果的で、プロジェクトの効率的・効果的な進行サポートにつながります。

プロジェクトの遂行には、メンバー構成も重要です。デザインチームに必要な人材のスキルセット洗い出しや、現状のメンバーで相補的にカバー可能かの評価、あるべき組織像に向けた採用・教育の計画など、多岐に渡ります。人材評価の制度設計もこの中に含まれると考えて良いでしょう。

また、デザインツールやインフラ(Tool)はプロジェクトの高効率化、高品質化にとって欠かせません。皆さんの組織にとって必要なツールは何か、調査・判断・導入することで、メンバーのモチベーションやアウトプット品質の向上にもつながります。

一見すると当たり前のように見えるかもしれませんが、非デザイン領域ではできていたことが、いざデザイン組織を作ってプロジェクトを進めるとなると途端にできなくなるケースは少なくありません。

DesignOps担当者が果たすべき役割とは?

DesignOpsの専担者を置くことは難しいかもしれません。たとえ兼任者だとしても、「プロジェクトが計画どおりに進行し、デザイナーの効率的・効果的アウトプットに貢献する」という意識のもと、以下に挙げるような役割をひとつずつできるようになることで、DesignOpsのスキルアップ・組織浸透につなげていくことができます。

Processの明確化、可視化

プロジェクトが目指す先はどこでしょうか?そのために必要なマイルストーンは何でしょうか?

プロジェクトが適切に進行しているかどうか、チーム・メンバーがきちんと機能しているかどうか、何らかの指標を用いて評価する必要があります。

それは、あなただけが把握していればOKというものではなく、携わるメンバーの合意を取り付ける必要もあります。

そのために重要なのが、Processの明確化・可視化とそれらの管理なのです。

Progress管理

Processを明確化、可視化でも少し述べましたが、評価できない進捗は「絵に描いた餅」といっても過言ではありません。

マイルストーン到達度の判断基準明確化や、その進捗を阻む要素の特定と解決策の模索、問題の再発防止に向けたドキュメント作成や人材のスキルギャップ特定などが含まれます。

プロジェクトマネジメント

上記のふたつと似通った部分はありますが、デザインプロジェクトをより円滑に進めるための環境づくりだと捉えてください。

現状の組織において効果的なミーティング頻度(例:進捗確認のために日次で会議が必要か?など)や、問題発生を未然に防ぐための心理的安全性を高める施策立案などを指します。

人と人が仕事をする以上、人にまつわるトラブルがプロジェクトに与える影響は計り知れません。プロジェクトマネジメントは、ピープルマネジメントとも言えるでしょう。

コミュニケーションルールの策定

想像してみてください。この連絡はメール、あの連絡はSlack…、とコミュニケーションチャネルが複数にまたがっているとどうなるでしょう。

コミュニケーションチャネルが多岐にわたってしまうと、その思考のフローが中断されてしまいます。

本来、脳のリソースはクリエイティブなことに費やされるべきです。しかし、コミュニケーションルールがあいまいだと、無駄なエネルギー消費につながりかねません。

DesignOpsの担当者は、デザインチームと他チームのあいだを取り持ち、コミュニケーションを円滑に進めるための戦略・戦術立案を担う必要があります。

予算や人(People)の配分と管理

DesignOps担当者は、デザイン組織の運営にかかるコスト(ヒト・モノ・カネ)にも目を向けておきたいです。

組織運営かかるコストを算出し、目標の達成に対してそのコストは適性か?今後、どうコストをかけていくべきか?といった絵を描いていく必要があります。

もちろん、「攻め」のコスト構造になるべきタイミングはあるでしょう。重要なのは、そのコストが可視化されていることです。そうすることで、後述するToolの選定・導入可否・継続可否の検討も容易になりますし、いまどこにコストを透過すべきか判断できるようになります。

Tool導入検討の主導

デザインチームが効率的に作業するために必要なツールを決定しましょう。その際、先述のProcess/Progress管理に効果的か?コストは適切か?といった観点が選定のポイントになります。

使用するツールやインフラを決めるだけでなく、皆が一定水準で使用できるようマニュアルを作成したり、ツール使用時のコミュニケーションルールを策定したりすることも重要な役割です。

DesignOpsマネジメント

なお、組織のかたちによっては、上記役割はいち担当者の範疇を超えるものでしょう。もし組織が大きい場合、DesignOps担当者の中から各担当者を束ねるDesignOpsマネージャーを選ぶことも大切です。

もちろん、すべての組織でDesignOpsマネージャーを専任者として置くことは非現実的です。しかし、組織規模が大きくなればなるほど、ひとつひとつの役割が多岐にわたり、それらの関係性が複雑化します。複雑に絡み合ったスパゲッティを解きほぐすためにも、DesignOpsマネージャーという役割が重要になるのです。

DesignOpsとDevOpsの違いとは?

エンジニアサイドの人にとっては、DesignOpsよりもDevOpsのほうが馴染みのある言葉でしょう。

DesignOpsとDevOpsは、ユーザーへの価値提供を可能にするプロセスを高速化するためのアプローチ、という観点では同じ方向を向いた言葉です。どちらも、ビジネスをスケールさせるために設計(Design)・開発(Development)と運用(Operation)をうまく協働させる点で、類似する概念なのです。

DesignOpsが、ビジネス目標・戦略の具現化に向けてデザインのベストプラクティス(デザイン業務の運用最適化)を突き詰める概念であるのに対し、DevOpsはもっと技術的なものです。少しだけDevOpsについて解説し、本記事のまとめに移ります。

本来、 開発(Dev)と運用(Ops) は「サービスを通じて、ユーザーの体験価値向上・課題解決に寄与し、ビジネス価値を創出する」という同じ方向を向いているはずです。したがって、開発(Dev)と運用(Ops)は本来協働しているべきなのですが、同じ方向を向くのが難しくなりつつありました。

開発(Dev)は、ユーザーのニーズに応えた機能リリースや新サービス開発を念頭に置いています。一方で運用(Ops)は、リリースしたサービスの安定稼働や、ユーザー利便性を維持・向上するための調整を意識しています。

それが、昨今のアジャイル開発による開発サイクルの短期化によって、ひずみが生じ始めました。アジャイル開発によって新機能・新サービスのリリースサイクルが短くなり、ユーザーにとってはメリットが大きい一方、運用(Ops)目線ではサービスの安定稼働の高難度化につながります。サイロ化された組織において、こういったひずみは互いへの責任転嫁の火種となり、ひいてはビジネスにおける本来の目的達成の阻害要因になりかねません。

こういった背景から、開発(Dev)と運用(Ops)の歩み寄りがとても重要だと認識されるようになってきました。そこに着目し、両者の連携の重要性を説いたのがDevOpsという概念なのです。

まとめ

DesignOpsは、デザインプロセスや進捗、人材、手法・ツールを最適化することによって、デザインの価値最大化を図ります。デザイン組織におけるクリエイティブな活動に時間を割くために、とても重要な概念です。まずはひとつずつ、考え方を採り入れて実行に移してみてはいかがでしょうか。

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