バーチャルオフィスはビジネスのための住所を借りられるサービスです。
住所のみの利用なので、シェアオフィスやコワーキングスペースなどリアルなスペースを借りるサービスと比較して、コストパフォーマンス高く利用できる点が魅力的です。
現在、大企業から地場企業に至るまで、数多くの企業がバーチャルオフィスビジネスに参入しており、その料金プランやオプション内容も多岐にわたります。
個人事業主やスタートアップ企業・スモールビジネスのオーナーなど、それぞれの属性によって必要な項目は異なります。したがって、どの項目に注目すべきかが非常に大切になってきます。
この記事では、「バーチャルオフィス選びの際に注目したいチェックポイント」について解説します。
絶対に押さえておきたい項目から、属性別にチェックすべき項目まで、16のチェック項目を設けました。多いように感じるかもしれませんが、「この観点は確かに押さえておくべきだな」と感じていただけると思います。
- 16のチェックポイントのうち重視すべき項目を取捨選択しよう
- チェックポイント1:運営企業
- チェックポイント2:初期費用(イニシャルコスト)
- チェックポイント3:利用料金プラン(ランニングコスト)
- チェックポイント4:契約前の審査
- チェックポイント5:最低契約期間
- チェックポイント6:使用可能な住所
- チェックポイント7:法人登記への住所使用可否
- チェックポイント8:開業届への住所記載可否
- チェックポイント9:契約書への住所記載可否
- チェックポイント10:請求書・領収書への住所記載可否
- チェックポイント11:ネットショップへの表示可否
- チェックポイント12:郵便物の転送
- チェックポイント13:個室や会議室等のリアルスペースの利用
- チェックポイント14:銀行紹介、定型制度
- チェックポイント15:固定電話番号取得、電話転送、電話代行サービス
- チェックポイント16:問い合わせへのレスポンスの早さ、丁寧さ
- まとめ|本当に自分が必要な項目は何かを見極めて、適切なバーチャルオフィス・プランの選択を
16のチェックポイントのうち重視すべき項目を取捨選択しよう
まずは、チェック項目と検討のポイントから見ていきましょう。
# | 項目 | 対象 | ポイント |
1 | 運営企業 | 全員 |
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2 |
初期費用 |
全員 |
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3 | 利用料金プラン ( ランニングコスト ) |
全員 |
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4 | 契約前の審査 | 全員 |
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5 | 最低契約期間 | 全員 |
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6 | 使用可能な住所 | 全員 |
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7 | 法人登記への住所使用可否 | 法人事業主 |
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8 | 開業届への住所記載可否 | 個人事業主 |
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9 | 契約書への住所記載可否 | 全員 |
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10 | 請求書・領収書への住所記載可否 | 全員 |
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11 | ネットショップへの表示可否 | ネットショップ運営者 |
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12 | 郵便物の転送 | 全員 |
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13 | リアルスペースの利用 ( 個室や会議室 等 ) |
全員 |
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14 | 銀行紹介、定型制度 | 法人事業主 |
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15 | 固定電話番号取得 ( 番号取得、電話転送、電話代行 ) |
全員 |
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16 | 問い合わせへの対応 ( レスポンスの早さ、丁寧さ ) |
全員 |
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いずれも重要な項目だと感じていただけるのではないでしょうか。
サービスやプランによっては「ネットショップの住所には使えるが、契約書には記載NG」等の条件が付いているケースもあります。
コストパフォーマンスバランスももちろん大事なのですが、「本当に自分が実現したいことができるサービスなのか?」という観点でバーチャルオフィスを選ぶことをオススメします。
ここからは、各項目について簡単に補足説明していきます。
チェックポイント1:運営企業
- 大企業か?中小企業か?
- 経営は安定しているか?
バーチャルオフィスの運営会社の中には、社歴が浅いところも少なくありません。安定した事業基盤がないと、突然の倒産や廃業の可能性があります。
バーチャルオフィスが突然使えなくなると、使用していた住所の変更を余儀なくされてしまいます。ネットショップ上の表記や、契約書・請求書の住所変更、Webサイトの修正など、想像以上のリソースが割かれてしまいます。
個人事業主やスタートアップ企業オーナーにとっては特に、ちょっとした作業の積み重ねが大きな時間・費用を失うことにつながります。
そうならないためにも、経済的に安定している企業が運営しているバーチャルオフィスを選ぶことをオススメします。
数年に渡ってバーチャルオフィス事業をおこなっている会社は、一定レベルで事業が軌道に乗っていると考えて良いでしょう。また、GMOやDMMなどの大手企業が運営しているバーチャルオフィスは、安定した事業基盤があると考えられます。
チェックポイント2:初期費用(イニシャルコスト)
- なるべく安く抑えられるか?
- 解約時のキャッシュバックはあるか?
バーチャルオフィスの中には、初期費用(イニシャルコスト)がかかるものもあります。
このあとお伝えする月額利用料金に注目してしまいがちですが、サービスによっては初期費用が1万円以上かかるケースもあるので、なるべく価格を抑えられるところを選択することをオススメします。
もし、初期費用が掛かるとしても、解約時にキャッシュバックされる場合は選択肢に加えても良いでしょう。安定した運営をおこなってもらうための保険、と考えることができるからです。
チェックポイント3:利用料金プラン(ランニングコスト)
- 複数のプランが用意されているか?
- プランの費用は許容できる範囲内か?
一番気になるのが、月額の利用料金プラン(ランニングコスト)でしょう。
バーチャルオフィスは一度契約すると長い期間にわたって利用するケースが多いです。なので、検討の際には料金プランをしっかり比較しましょう。
気を付けたいのが、「安かろう悪かろう」なサービスです。料金は非常に安価だが、サポート品質が悪かったり住所の立地が悪かったりすると、後々後悔することになります。
今回お伝えするチェックポイントを総合的に検討して、料金とサービス内容のバランスがとれているかどうかを確認しましょう。
複数のプランが用意されているケースが多いかと思いますので、プランの内容をしっかり確認して「こんなはずじゃなかった…」とならないように注意が必要です。
チェックポイント4:契約前の審査
- 複数のプランが用意されているか?
- プランの費用は許容できる範囲内か?
バーチャルオフィスによっては、契約時に審査があります。
「審査がゆるいサービスの方が都合が良い」「時間がかかると面倒だ」と感じるかもしれませんが、個人的には審査がしっかりしているサービスを選ぶことをオススメします。
なぜなら、審査が甘いサービスには「それなり」のユーザーが集まっている可能性が高いからです。
「それなり」の極端な例として、反社会的勢力やグレーなビジネスをおこなう企業などが挙げられます。
このようなユーザーが利用していると、バーチャルオフィスの価値が毀損されてしまうだけでなく、運営企業がサービス終了に追い込まれる可能性もあります。
そういったサービスを利用していたことが明るみになると、自身の危機管理意識が低いと捉えられる可能性すらあります。
一見すると面倒に感じる審査ですが、自身のビジネスを守るためにもきちんとした審査プロセスがあるサービスを選ぶ方が、長い目で見てプラスに働きます。
チェックポイント5:最低契約期間
- 契約に縛りがあるか?
最低契約期間も確認すべきポイントです。
長期間利用することが明らかな場合は気にする必要はありませんが、「一旦数か月利用してみて、便利だったら長期契約に移行しよう」と考える方にとっては、意外な落とし穴となりがちな項目です。
筆者がオススメするGMOバーチャルオフィスやDMMバーチャルオフィスの場合は、最低契約期間が設けられていません。
自身の環境変化に柔軟に対応したい場合、こういった「契約期間の縛りがない」バーチャルオフィスを選択するのが良いでしょう。
チェックポイント6:使用可能な住所
- 一等地の住所を利用できるか?
- みすぼらしい建物に住所が設定されていないか?
多くのバーチャルオフィスは、銀座や新宿、渋谷など見栄えの良い一等地の住所を提供してくれています。
しかし、その住所がWeb上で公開されていないケースもあります。
たとえば、DMMバーチャルオフィスの場合は、「東京都中央区銀座1丁目」「大阪府大阪市北区梅田1丁目」以上の詳細な情報が公開されていません。同サービスの場合は、きちんとしたビルの住所を提供してくれるのですが、格安バーチャルオフィスの場合はその限りではないケースも。
住所自体は見栄えの良いものでも、ビル自体が古くみすぼらしい外観である可能性は否定できません。
「一等地の住所が使えさえすればよい」と割り切れる方は気にする必要はありませんが、せっかくビジネス用途の住所を格安で利用できるのであれば、ある程度外観もしっかりしているビルの住所を借りたいところ。
意外と住所は検索されるものです。取引先との信頼関係を強固なものにするためにも、「一等地」かつ「一定水準以上の外観のビル」の住所を利用可能なバーチャルオフィスを選ぶことをオススメします。
チェックポイント7:法人登記への住所使用可否
- 起業、法人成りの際に利用可能か?
チェックポイント8:開業届への住所記載可否
- 個人事業主の開業時に利用可能か?
チェックポイント9:契約書への住所記載可否
- 契約書の住所に使用することができるか?
チェックポイント10:請求書・領収書への住所記載可否
- 請求書や領収書の住所に使用することができるか?
チェックポイント11:ネットショップへの表示可否
- 特定商取引法に基づく表記に使用することができるか?
チェックポイント12:郵便物の転送
- バーチャルオフィスに郵送物を届けられるか?
- 届いた郵送物を、自宅等の指定住所に転送できるか?
チェックポイント13:個室や会議室等のリアルスペースの利用
- 取引先との打ち合わせや作業のためのスペースが用意されているか?
チェックポイント14:銀行紹介、定型制度
- 法人口座開設時の住所として使用可能か?
- 提携銀行を紹介してくれるか?
チェックポイント15:固定電話番号取得、電話転送、電話代行サービス
- ビジネスに用いる固定電話番号を取得できるか?
チェックポイント16:問い合わせへのレスポンスの早さ、丁寧さ
- サポートの品質が悪くないか?
バーチャルオフィスの契約前、契約後に不明点が生じた際、電話やメールで問い合わせをするケースがあります。
サービスによっては、サポートのレスポンスが遅かったり、回答内容や言動に丁寧さを欠くこともあるようです。
大手企業が運営しているバーチャルオフィスや、中小企業運営であっても人員をしっかり確保しているバーチャルオフィスは、サポートの品質が一定水準以上であることが経験上多いです。
ビジネス利用する以上、「郵送物はどうなっているか」「こういう提携サービスを利用したいが、どうすれば良いか」等の疑問が湧くシーンは意外と少なくありません。
ちょっとした問い合わせにも快く丁寧に対応してくれるかどうかは、サービス利用前にメールや電話で質問を投げてみることで把握可能です。
まとめ|本当に自分が必要な項目は何かを見極めて、適切なバーチャルオフィス・プランの選択を
この記事では、バーチャルオフィスを選ぶ際に参考にしたい16のチェックポイントについて解説してきました。
すべての項目が自分の希望どおりということはないかもしれませんが、「これは絶対に譲れない」「これは正直どうでもいい」などの価値観と照らし合わせていただければ幸いです。
最後に、チェックリストを再掲します。バーチャルオフィス選びの参考になれば幸いです。
# | 項目 | 対象 | ポイント |
1 | 運営企業 | 全員 |
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2 |
初期費用 |
全員 |
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3 | 利用料金プラン ( ランニングコスト ) |
全員 |
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4 | 契約前の審査 | 全員 |
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5 | 最低契約期間 | 全員 |
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6 | 使用可能な住所 | 全員 |
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7 | 法人登記への住所使用可否 | 法人事業主 |
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8 | 開業届への住所記載可否 | 個人事業主 |
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9 | 契約書への住所記載可否 | 全員 |
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10 | 請求書・領収書への住所記載可否 | 全員 |
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11 | ネットショップへの表示可否 | ネットショップ運営者 |
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12 | 郵便物の転送 | 全員 |
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13 | リアルスペースの利用 ( 個室や会議室 等 ) |
全員 |
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14 | 銀行紹介、定型制度 | 法人事業主 |
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15 | 固定電話番号取得 ( 番号取得、電話転送、電話代行 ) |
全員 |
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16 | 問い合わせへの対応 ( レスポンスの早さ、丁寧さ ) |
全員 |
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