クリエイティブ制作をする際に、無料素材ではなく、高いクオリティで画像数も多い有料素材を利用したいと考えている人は多いのではないでしょうか。
PIXTAやShutterstockなど、たくさんの有料フォトストックサービスがありますが、Adobe Stockの優位性が断トツになります。
しかし、「他のサービスに比べて高いような気がする…」などの理由から、Adobe Stockの利用を躊躇している人も多いのではないでしょうか。
今回は、Adobe Stock に興味をお持ちの方に向けて、Adobe Stockの詳しい内容とその魅力についてご紹介していきます。
無料のフォトストックサイトと、Adobe Stock等の有料サイトの違い
ネット上には、ストックサービスの無料サイトがいくつも存在しています。さらに、さまざまな写真やイラストサイトが数多く公開されています。
しかし、無料サイトでは、無料で使用できる枚数や回数が制限されている場合が多いです。さらに、無料で公開されている写真やイラストは、「商用利用」を禁止している場合が多くなります。
商用利用禁止の素材をダウンロードして収益化すると、著作権法により刑罰の対象になります。商用利用を禁止されている素材は、絶対に商用として使用しないでください。
一方、Adobe Stockを始めとする有料サイトは、商用利用を前提としています。しかも、厳選された高品質の素材を入手することができます。
高品質なクリエイティブ作品を作りたい場合や収益化をしたい場合には、商用利用可能な有料サイトを選ぶことがマストになります。
Adobe Stockとは、簡単に言うと「クリエイターのための画像ダウンロードサイト」のこと
「Adobe Stock」とは、アドビがクリエイターのためにつくったフォトストックサービスです。
フォトストックサービスとは、写真、ビデオ、オーディオ、3Dなどの素材をダウンロードして、制作物に使用することができるサービスのこと。
Adobe Stockの場合、世界中から集められた約3億点の素材を自由に利用することができます。
フォトストックサービスの中には無料で画像素材をダウンロード可能なものもたくさんあります。
「Adobe Stockじゃなくてもいいじゃん!」
と感じるかもしれませんが、Adobe Stockでは無料ダウンロードサイトでは入手が難しい写真も入手可能です。
たとえば、日本の最新のライフスタイルを伝えるプレミアムな写真なども入手できます。
個人の情報発信を用途にした素材だけではなく、プロ仕様の素材も入手できるので、クリエイティブの幅を広げることができます。
使いやすさや素材数、料金体系が優れていることも魅力的なポイントですが、Adobe Stockならではのメリットも数多く存在しています。
Adobe Stockでダウンロードした画像は商用利用できる
Adobe Stockのメリットは、商用利用が可能であることです。
画像やイラストなどのさまざまな素材を、企業のロゴや販促物にも使用できます。
商用可能とうたっているサイトの中には、一部の素材しか可能でなかったりする場合もあります。さらに、イメージ通りでも画素数が低くて、商用のレベルに適さないものもあります。
その点、Adobe Stock では特定の企業が提供してくれている一部の特殊な素材を除いては、ほとんどの素材の商用利用が可能になります。
さらに、商用利用を前提に作られた作品がほとんどなので、商用利用に適するデザインや高画素数の素材が多くなっています。
また、Adobe Stockで購入した商用利用可能なコンテンツに関して、申立てや苦情を受けた場合には、Adobeが対応してくれます。この点も商用利用の際には、安心なポイントであると言えるでしょう。
高品質な画像素材を入手できるので、制作物のクオリティが上がる
Adobe Stockのメリットは、驚くほど高品質であることです。
一般的に、Webで使用される画像の解像度は、72dpi程度といわれています。しかし、Adobe Stockならば、印刷物の場合に必要となる300dpiの素材を手に簡単に手に入れることができます。
Adobe Stockの素材は商用目的で撮影されているので、撮影の時点から解像度にもこだわられています。ほとんどすべてのコンテンツが最大 300 dpiの解像度で提供されているので、高品質の素材を入手できるのです。
さらに、Adobe Stockでは、看板などの大きめの印刷物に対応できるように、300 dpiよりもっと超高解像度な素材も入手することが可能です。
また、Adobe StockはAdobe社が提供しているサービスということで、プロのクリエイター達が数多く利用しています。目の肥えたプロのクリエイターが納得するようなクオリティが求められてきたため、どの作品も世界的に通用するようなクオリティになっています。
Adobe製品との相性が良く、イラレやフォトショとの連携がしやすい
Adobe Stockのメリットは、Adobe製品との相性が抜群に良いことです。
Adobe Stockから写真やイラストを検索できることはもちろんですが、PhotoshopやIllustratorなどのAdobe製品を契約していれば、それらからも使いたい素材を探すことができます。
PhotoshopやIllustrator で素材を探すために、Adobe Stockを新たに開く必要がないので、作業効率も格段にアップします。
さらに、Adobe 社の20以上のソフトがセットになっているAdobe CCを契約している場合には、Adobe Stockとの連携機能を使うことができます。
あらかじめAdobe CCにログインしてAdobeソフトの共有フォルダである「マイライブラリー」を有効にして画像を保存することで、PhotoshopでもIllustratorでも同じ画像をすぐに使用することも可能です。
Adobe Stockの料金プランには「サブスクリプションプラン」と「クレジットパック」がある
Adobe Stockの料金には、定額プランの「サブスクリプションプラン」と買い切りプランの「クレジットパック」があります。
サブスクリプションプランの料金プラン
毎月一定の料金を支払うサブスクリプションプランですが、さらに、大きく分けて2パターンの契約方法があります。
月々プラン
1年単位の契約をして、1か月単位で契約して料金を毎月支払う「月々プラン」。

年間プラン
年間で契約して月々の料金をその月ごとに支払う「年間プラン(月払い)」です。
「月々プラン」は年間契約の縛りがありますが、「年間プラン(月払い)プラン」にはその縛りはありません。

料金体系
これらの料金体系(税込)は、次のようなものになります。
アセット数/月 | 月々プラン | 年間プラン(月払い) |
通常アセット3点 | 3,828円/月 | なし |
通常アセット10点 | なし | 3,828円/月 |
25点の素材または3本のHDビデオ | 9,328円/月 | 6,578円/月 |
40点の素材または6本のHDビデオ | 13,068円/月 | 10,428円/月 |
750点の素材または25本のHDビデオ | 32,978円/月 | 27,478円/月 |
Adobe Stockのサイト内で使われる「アセット」という言葉は、画像や動画といったストック素材を指します。
「アセット数/月」とはAdobe Stockのストック素材を「1カ月に合計〇点まで使用可能」という意味になります。
アセット数が多くなればなるほど、年間プラン(月払い)の料金の方がお得になっていきます。
さらに、一番安い「3,480 円 /月」で比較すると、月々プランのアセット数は3点ですが、年間プラン(月払い)のアセット数は10点になっています。
年間を通して写真やイラスト素材を使い続ける予定がある場合には、「年間プラン(月払い)」がお得になります。
一方、短期間に少数の素材を使用したい場合には「月々プラン」がおすすめになります。
クレジットパック(買い切りプラン)の料金
クレジットパックは、必要なときに必要な分だけ素材を購入できるプランです。クレジットパックは点数制となっていて、購入したい点数によって料金体系も違っています。
クレジット数による料金(税込)は、次のようなものになります。
クレジット | 料金 | 1クレジットあたりの料金 |
5 | 6,490円 | 1,298円 |
16 | 17,600円 | 1,100円 |
40 | 39,600円 | 990円 |
80 | 74,800円 | 935円 |
150 | 132,000円 | 880円 |
クレジットパックの場合、クレジット数の大きいものを購入した方が1クレジットあたりの料金がお得になります。ただし、クレジットの有効期限は購入後6か月になるので、有効期限切れにならないように注意が必要です。
ちなみに、通常画像とHDビデオでは、使用する際に必要なクレジット数が変わります。
クレジット | 通常画像 | HDビデオ |
5 | 5 | 0 |
16 | 16 | 2 |
40 | 40 | 5 |
80 | 80 | 10 |
150 | 150 | 18 |
例えば、「クレジット5」のプランでは、通常画像は5つ使用することができますが、HDビデオを使うことができません。HDビデオを使いたい場合には「クレジット16」以上のクレジットを購入する必要があります。「クレジット16」のプランでは、通常画像を16とHDビデオを2つ使用することができます。
サブスクリプションプランとクレジットパック
結論から言ってしまうと、継続的にストックコンテンツを必要とする場合は、サブスクリプションプランのほうがお得になります。
クレジットパックは、クレジットの小さいプランだと、1つあたりの単価が高くなっています。
サブスクリプションプランのほとんどのプランでは、通常アセットを最安値で購入することができます。これには、ロイヤリティフリーの高解像度写真、ベクター、イラスト、テンプレート、3Dやオーディオが含まれるものもあり、クオリティの高い作品をつくることができます。
また、プランに含まれていないカテゴリーは別途購入することができ、購入する場合には20% 割引が適用されます。
Adobe Stockの無料体験版について
無料体験版の概要
Adobe Stockを試してみたい場合には、Adobe Stockの無料体験版がおすすめになります。
無料体験版をはじめるためには、Adobe公式サイトにアクセスし、「今すぐ始める」ボタンをクリックしましょう。

「今すぐ始める」ボタンをクリックすると、以下のような画面が表示されます。

メールアドレスの入力が求められるので、普段お使いのメールアドレスを入力し、「続行」をクリックしましょう。
登録したメールアドレスにAdobe社からメールが届いていると思います。記載内容に沿って無料体験をスタートしましょう。
手続き完了後、30日間無料で体験版を使用することができます。
まずは、公式サイトにアクセスし、「今すぐ始める」から体験してみましょう。
Adobe Stockの無料体験版を利用すると、期間中は素材を無料でダウンロードすることができます。
無料体験期間中に解約された場合、料金はかかりません。お試し期間中にダウンロードした素材は、サブスクリプションを解約した後も引き続き使用することができます。
お試し期間が終了すると、年間契約が開始され、プランに記載された料金が自動的に課金されます。
無料体験版で選べるプランは「Adobe Stock 通常アセット 10点」
選べるプランは決まっていて「Adobe Stock 通常アセット10点」を利用することができます。
無料期間は 30日間となります。
無料体験版終了後に継続を希望する場合は、無料体験版で未使用だったライセンスを最大120点まで繰り越すことが可能です。
無料体験期間が終了する前ならば、解約料なしで解約することができます。
しかし、無料体験終了後は自動的に1か月あたり3,828円/月の年間契約になります。
無料体験版のみで、継続を希望しない場合には、1か月以内に解約するようにしましょう。
Adobe Stock契約時の注意点もおさえておこう
Adobe Stockを契約する際には、注意しなければならないポイントがあります。ここでは、契約時の注意点にフォーカスして説明を進めます。
解約時の手順・注意点等については以下の記事にまとめているので、あわせてご覧ください。
サブスクリプションプランでは利用できない形態がある
サブスクリプションプランには、4Kビデオ、拡張ライセンス、プレミアム素材が含まれないので、これらの形態の素材は利用することができません。
そのような素材を使用する際には、サブスクリプションプランに加入しながら、クレジットパックを利用することになります。
サブスクリプションプランに加入しておいて、足りない分をその都度、クレジットパックで購入するという合わせ技もおすすめになります。クレジットパックは6ケ月の使用期間があるので、少量のパックを購入していけば、使い残しの心配もなく安心して使用できます。
ただし、両方購入した場合でも、サブスクリプションプランのクレジットとクレジットパックのクレジットを互換したり、それらを組み合わせてアセットをライセンスしたりすることはできないので注意が必要です。
解約手続きが必要なプランも
Adobe Stockを解約したい場合にも、注意が必要です。
買い切り型の「クレジットパック」には、もちろんですが解約がありません。しかし、他のプランに関しては、解約を自分自身で行う必要があります。
「月々プラン」は月ごとの契約なので、好きなタイミングで解約が可能です。また、「無料プラン」も、登録してから1ヶ月以内ならば解約金なしで解約が可能です。
特に、サブスクリプションプランでは、最大の注意を払う必要があります。
サブスクリプションプランの契約は自動更新なので、解約したい場合には、自分自身で手続きを行う必要があります。解約金なしで解約をしたい場合には、契約から1ヶ月以内か契約満了月に手続きを行うようにしましょう。
以下の記事では、Adobe Stockの解約に特化して解説しています。あわせてご覧ください。
人物画像に日本人が少ない
Adobe Stockを提供しているAdobe社は、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンノゼ市に本社を置くコンピュータ・ソフトウェア会社です。
2015年にサービスが開始されました。
Adobe Stockの注意点としては、世界中で利用されているサービスであるため、外国人が写っている人物画像が多いです。
つまり、日本人の素材が相対的に少なくなっています。
もちろん、多くの日本人クリエイターが画像・動画素材を出品してはいますが、全体の作品数に対して日本人の画像が少なく感じるのは事実です。
世界中で利用されているサービスならではのデメリットともいえますが、実はAdobe Stockでは日本人モデルの画像が30万件以上販売されています。
お気に入りの人物画像を探してみましょう。
PIXTA、ShutterstockとAdobe Stockの違いは?
Adobe Stockと似たようなサービスに「PIXTA」と「Shutterstock」がありますが、それぞれどのようなものなのでしょうか。
PIXTAとは?

PIXTAのサービスを提供する「ピクスタ株式会社」は、日本生まれの企業です。
人物画像には日本人が非常に多くなっています。さらに、専属フォトグラファーやクリエイターも日本人が多いので、日本人の感性に近い素材が豊富に揃っています。
PIXTAの特徴として、登録するだけで使える無料テンプレートがあります。チラシやDMなどを作成できるテンプレートが用意されていて、画像を差し替えるだけでクリエイティブな作品を作ることができます。
PhotoshopやIllustratorなどのプロ用アプリを持っていない人でも、気軽に作品を作ることができます。
Shutterstockとは?

Shutterstockは、アメリカに本社を置くストックフォト企業で、ニューヨーク証券取引所にも上場している有名企業です。
Shutterstockには「Shutterstock Editor」というツールがあります。PhotoshopやIllustratorなどを使わなくても、Shutterstockで選んだ画像をダウンロードするだけで、簡単な画像編集や加工をすることができます。
Facebookやプレゼンなどに使えるデザインテンプレートが用意されていて、ちょっとした作品をつくりたい時にはぴったりになっています。
まとめ
Adobe Stockについて、お分かりいただけましたでしょうか。
値段が高いと思われがちなAdobe Stockですが、方法によってはお得に使用することが可能です。
この記事を参考にしてAdobe Stockの使用を始め、人とは一味違うクリエイティブな作品を作ってみましょう。